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株主優待のクロス取引を使って(ほぼ無料で)優待品をもらう方法

株式投資家の数十%は優待族と呼ばれ、株主優待のために株を保有する人達で占められています。

一定の株数を権利確定日まで保有すると、そのお礼として企業から優待の品が贈呈されます。優待品の内容は様々で、金券、食事券、買物券、食品、飲料等で、家計の改善に繋がるものが多く、人気を博しています。

本記事ではその優待の仕組みと、出来るだけ安く(ほぼ無料で)優待品だけもらう方法とその注意点について紹介します。

目次

クロス取引で株主優待の権利を得る方法

株主優待を受けるには、権利確定日までその銘柄を保有する必要があります。つまり、権利確定日の直前にその銘柄を購入すれば、数日間の投資で配当と株主優待を貰うことができるのです。

引き渡し期間は3営業日ですので、権利確定日の3営業日前に株を買うだけです。

相当にうま味のある取引に見えますが、実際はそう簡単にはいきません。

株主優待が実施されている銘柄の多くは人気が高く、権利確定日まで株価は上がり続けます。そして、その権利が確定した翌日には大きく下落します。

権利確定日直前で購入した人であれば、下落幅の方が大きく、優待内容を上回る下落が起こり得るのです。

しかし、これを避ける「2つの方法」があります。

ひとつ目は「長期保有する」ことで、株価の上昇下落に関係なく優待を受ける方法です。この場合、資金は固定化しますが、短期で損失を出す可能性が無くなるので「初心者向き」と言えます。

ふたつ目は「クロス取引による方法」です。

クロス取引とは、欲しい銘柄の「現物買い」と「信用売り建て」を同じ数量、価格で約定させることです。

通常、100%同じ価格の取引を成立させるために、時間外取引で成り行き価格の注文を入れます。この場合、成り行き価格での注文ですので、現物買いも信用売りも100%同じ株価で約定されます。そして、権利落ち後に現物株式を使って信用売り数量を返済するので、株価変動のリスクゼロで優待を手に入れたことになります。

クロス取引の前提として信用口座を開設する必要があります。

株主優待の権利を得るのにかかる手数料

クロス取引が「リスクなく株主優待を得る方法」であることはおわかりいただけたと思いますが、とはいえ、実際はコスト(手数料)が発生ますので、本項目ではコストについて解説します。

現物株購入手数料

これは証券会社によって異なりますが、松井証券の様に一定額までは無料という証券会社もあるので、是非、各証券会社でご確認なさってください。

信用売建手数料

これも先ほどと同様に証券会社によって手数料が異なるのでご確認なさってください。

貸株料

これは株を借りている期間の利息のようなものです。利率は確認が必要ですが、例としては以下の通りです。

約定代金100,000円 信用売り建て保有期間10日、貸株利率1.2%

約定代金100,000円×1.2%×10日÷365=32円

通常の優待目当てのクロス取引であれば30日以内であることがほとんどですから、貸株料が大きな負担となることはないでしょう。

クロス取引で注意すべき「逆日歩」

信用取引には「制度信用取引」と「一般信用取引」の2種類があります。制度信用取引は、取引所が決めて行われるものですので、株式の数量が少なくなると機関投資家から株を借りて調達します。そして、この株式に対して発生する手数料が逆日歩です。

逆日歩がいくらになるかは状況次第で異なりますが、かなり高額になる場合もあります。特に誰もが知っている人気銘柄で高額な逆日歩が発生するケースが増えているため、諸費用を計算してみると優待内容を上回ることがあります。高額な逆日歩の銘柄はネットで検索できるので、事前に調べておくと良いでしょう。

ご参考までに過去に高額な逆日歩の発生した銘柄を紹介します。

  • ゼンショーホールディングス
  • グルメ杵屋
  • マクドナルド
  • リンガーハット
  • チムニー
  • 不二家等

主に外食チェーンが目立ちますね。

時に在庫がなく注文を受け付けなくなる為、欲しい銘柄については在庫数量を確認する必要があります。 

なお、一般信用取引は各証券会社が保有する株を貸し出す取引で、逆日歩は発生しません。

まとめ

いくつか気をつけなければならない注意点があるものの、対応できる人にとってクロス取引はとても便利なやり方です。

私も長くクロス取引で株主優待を受けていますが、逆日歩にさえ注意を払えば大きなリスクは回避できます。そういう意味では一般信用取引が入口としてはお勧めになります。

まずは、一般信用取引で慣れてから制度信用取引に手を広げると良いのではないでしょうか。一般信用取引銘柄が豊富な会社はまだまだ少ない現状ですが、それでもカブコム証券、SBI証券等の取り扱い銘柄はかなり豊富になったと言えます。

無料で株主優待を貰うことはできませんが、リスクを抑えて低コストで株主優待を貰うことはできます。

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