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機関投資家による空売りの手口を徹底解説!手口を逆手にとって利益を出す方法とは

株価が大きく上昇や下降するときは機関投資家の空売りが高確率で関わっていると言っても過言ではないです。

この記事では、機関投資家がどのような銘柄にどのような手口を使って空売りを仕掛けるのかを理解することで、それを逆手にとって利益を出す方法をわかりやすく解説します。

目次

機関投資家の空売り手口

機関投資家が空売りするときは、確かな情報やデータに基づき「株価が高すぎる」や「今後高確率で下がる」といった確信に近いものをもって空売りをしていることがほとんどです。

機関投資家は個人投資家とは違い高確率で利益が出せる場合のみ空売りをすると思って間違いないでしょう。

では、どのような銘柄を狙って空売りを仕掛けるのでしょうか?

今回は分かりやすい以下の3パターンを紹介します。

  1. 短期高騰銘柄
  2. 信用買い残が多く信用倍率が高く株価が低調な銘柄
  3. 出来高が大きくあった日から6ヶ月後の銘柄

この3パターンについて、なぜ機関投資家が空売りをするのかを分かりやすく説明していきます。

①短期高騰銘柄

機関投資家が空売りする銘柄の候補にする1つ目の条件は、「短期高騰銘柄」です。

短期高騰した銘柄は言うまでもないですが高確率で反発します。

それは「好材料が出た」や「好決算であった」場合も含めほぼ例外なく、短期高騰した銘柄は必ず調整はあると言っても過言ではないです。

長期で見た場合にはアップトレンドになっていく可能性は高いのですが、数日から数週間の範囲で見た場合には大きく下落する場面があります。

それを判断する指標はたくさんありますが今回は最も簡単な「ボリンジャーバンド」で説明します。以下の画像をご覧ください。

これは「アクセルマーク」という銘柄ですが、2021年8月25日に「NFT関連」のサービスの開発を開始すること。更に電通と共同開発であり、LINE Blockchainプラットフォームを使用するというとんでもないビックニュースがアクセルマーク公式HPから発表されました。

アクセルマークは時価総額も低く市場に注目もされていなかった小型株でもあるので翌日から赤丸部の通り2日連続「寄らずのストップ高」を記録しその夜のPST取引では一時最大1,100円の値をつけ、2日で株価は約2倍となったのです。

2日連続寄らずのストップ高を付けた翌日2021年8月30日(▼印)の始値の段階で見ての通りボリンジャーバンドの+3σ(水色の線)付近です。そのまま+3σを超えたところで急落し大陰線となりました。

ボリンジャーバンド+3σを超えた株価は約99.7%の確率で+3σ内に反発すると言われています。

その確率の通りになりましたが、まさにこの瞬間を狙って機関投資家は空売りをするのです。

それではアクセルマークに対して機関投資家はどこで空売りを仕掛けたのか見てみましょう。

画像の通り2021年8月30日に「モルガン・スタンレーMUFG」と「UBS AG」が空売りを仕掛けています。

8月30日の何時何分に空売りをしたのかまでは分からないですが、おそらくボリンジャーバンド+3σ付近で仕掛けていると思って間違いないです。

モルガン・スタンレーMUFGは空売りをしてから2日後の9月1日に9,800株、4日後の9月1日に20,500株を買い戻しています。

仮にこの30,300株が8月30日に平均750円で空売りされたものだとしたら、9月1日に約620円で9,800株を買い戻しその利益は約1,270,000円です。

9月3日に約580円で20,500株を買い戻しその利益は約3,490,000円となり、合計で約4,760,000円のキャピタルゲインを4日で得たことになります。

UBS AGに至ってはまだ2,200株しか買い戻していなく、今後の買い戻しでかなりの利益を得ることになるでしょう。

※空売り残の報告義務が発生するのは発行済株式総数の0.5%以上の空売りがある場合のみです。

そのため0.5%未満からの空売りの場合は正確に何株空売りしたかは計算できないので注意しましょう。

以上の通り、機関投資家は短期急騰した銘柄に対し空売りを仕掛けてきます。

今回のアクセルマークの場合はおそらく「ボリンジャーバンド+3σ」を狙って空売りしたと考えられます。

②信用買い残が多く信用倍率が高く株価が低調な銘柄

機関投資家が空売りする銘柄の候補にする2つ目の条件は、「信用買い残が多く信用倍率が高く株価が低調な銘柄」です。

具体的には信用買い残は浮動株に対する空売りの合計株数を見てその割合が高いほど、今後の売り圧力が高く機関投資家の空売りに狙われやすいです。

信用倍率は「信用買い残/信用売り残」で求められます。

つまり信用倍率が1より大きいほど信用売り残より信用買い残が多いことを意味します。

この二つの条件且つ株価が低調な場合、多くの投資家は「信用買いをしているのに利益を出せておらず、損切りもできていない状況」であると推測できます。

つまりもう一段下げることで多くの投資家の損切ラインを割ることが可能と読めます。

更にここにその他の指標、例えばデットクロス、サポートラインを割る、出来高の減少、移動平均線が右斜め下のダウントレンド等が絡む場合、強烈な売り指標となります。

以上の理由から、信用買い残が多く信用倍率が高く株価が低調な銘柄に対し機関投資家は空売りを仕掛けてきます。

③出来高が大きくあった日から6ヶ月後の銘柄

機関投資家が空売りする銘柄の候補にする3つ目の条件は、「出来高が大きくあった日から6ヶ月後の銘柄」です。

もっと厳密に言うと、出来高が大きくあった後に株価はその水準にすぐに戻り信用倍率は1より大きいまま、その後はずっと株価は上がらず若しくは下がったまま出来高も細り6ヶ月の月日が経ちそうな銘柄です。

これは信用取引の原則で信用取引には返済期限が設定されており一般的には6ヶ月が期限です。出来高が大きくあったということは高確率で信用買いでの取引も盛んに行われているはずです。

その後信用倍率が常に1より大きく、売り場もないまま返済期限に近づいてきたら市場心理はどう働くでしょうか?

多くはずっと損切りができなかった投資家であることを踏まえて考えると「返済期限までになんとか株価が上がってくれ」と願って耐えていることでしょう。

そこに空売りが入ると、返済期限も近いことから大きく下がる前に我先にと信用買いの損切りが始まります。売りが売りを呼ぶ展開に発展しセリングクライマックスとなります。

機関投資家はこのセリングクライマックスを誘発するために空売りをするのです。

よって出来高が大きくあった日から6ヶ月後の銘柄を狙い空売りを行います。

機関投資家を味方につけて投資する方法

機関投資家を味方につけて投資する方法は簡単です。

それは機関投資家と同じ売買をすることです。機関投資家は様々な情報やデータを駆使して今後の株価を予想した上で勝てる確率が高い場合のみ投資を行います。

個人投資家はそれほどの精度で今後の株価を予測することは不可能に近いでしょう。そこで機関投資家と同じ売買をすることで勝つ確率の高い投資に乗っかることが投資で儲かる近道なのです。

具体的にはどうすればいいのでしょうか。それは機関投資家が空売りをしたら同じく売りポジション、買い戻したら買い戻しをするだけです。

また、自分が保有している銘柄が空売りされた場合は早めに処分することをおすすめします。

機関投資家の空売り情報は以下のサイトから検索可能です。

karauri.net – 空売り残高情報を検索

上記URLは下記画像のサイトへリンクしています。

この赤枠部に「銘柄コード」を入力し検索をクリックします。

例えば先ほどのアクセルマークの銘柄コードである「3624」を入力すると検索結果が表示されます。

実際のサイトの場合、下にスクロールすることでこれまでの空売り履歴が閲覧可能となっています。

機関投資家とは

機関投資家とは多額の投資金で取引を行い株式市場に大きな影響力のある投資家です。

機関投資家の一例として下記のような団体を指します。

  • 投資ファンド
  • ヘッジファンド
  • 投資信託会社
  • 証券会社
  • 保険会社
  • 銀行
  • 年金機構

日本の株式の約83%は機関投資家が保有

JPX 日本取引所グループの調査レポート「投資部門別株式保有金額」によりますと、日本の株式の約83%は機関投資家が保有しています。

逆に言えば個人投資家が保有しているのは約17%のみです。少し意外な結果ですよね。

機関投資家は空売りのみで利益を出しているというのは間違いで、多くは優良企業に長期投資で利益を出しています。

2020年度 会社数:3,823

 合計 (1)+(5)+(6)+(7)7,486,953(億円)100.0(%)
(1)政府・地方公共団体8,8250.1
(5)国内法人小計 (2)+(3)+(4)3,959,69852.9
(2)金融機関小計 a+b+c+d+e2,240,83029.9
 a 都銀・地銀等204,3652.7
 b 信託銀行1,683,04522.5
 (a+bのうち投資信託分)726,8189.7
 (a+bのうち年金信託分)75,0231.0
 c 生命保険会社232,5623.1
 d 損害保険会社68,0310.9
 e その他の金融機関52,8240.7
(3)証券会社188,3442.5
(4)事業法人等1,530,52420.4
(6)外国法人等2,263,00030.2
(7)個人・その他1,255,42816.8

調査レポート | 日本取引所グループ (jpx.co.jp)より引用

機関投資家 VS 個人投資家

個人投資家は機関投資家には勝てないのでしょうか?

基本的に個人投資家は機関投資家の莫大な資金力の前には無力であり、まともにぶつかりあえば機関投資家に勝つ術はありません。それが株式投資界の通説でした。

しかし、その通説を覆す事件がおこりました。それは「ゲームストップ株の機関投資家踏み上げ炎上事件」です。

ゲームストップ株とはアメリカの株式であり、当時業績不振の噂がありゲームストップは機関投資家に大量の空売りをされていました。

その空売り残高は異常な数量となっており浮動株の総数を超えるまでに膨れ上がっていたのです。

ここに注目した個人投資家達がSNSで個人投資家達に呼びかけて個人投資家連合を築きゲームストップの株式を買い続け機関投資家の空売りの踏み上げを起こしたのです。

機関投資家の空売りの買い戻しもあり買いが買いを呼ぶ展開となり、株価は短期間で高騰し株価は20ドル程度から480ドル程になりました。

実にたった3週間で24倍にも高騰したのです。この大規模な踏み上げにより倒産を余儀なくされたファンドもありました。

このように、個人投資家が集結することで機関投資家に打ち勝つことも稀にあります。

しかし、基本的には機関投資家には逆らわず乗っかることが賢い選択かもしれませんね。

まとめ

株価が大きく上昇や下降するときは機関投資家の空売りが高確率で関わっていると言っても過言ではないです。機関投資家は様々な手口で空売りを仕掛けてきます。

機関投資家の空売りの手口についてこの記事内でお伝えした、様々な情報を以下にまとめました。

・機関投資家が空売りを狙う銘柄の特徴3つ
 ①短期高騰銘柄
 ②信用買い残が多く信用倍率が高く株価が低調な銘柄
 ③出来高が大きくあった日から6ヶ月後の銘柄

・機関投資家を味方につけて投資する方法は機関投資家と同じ売買を行う

・機関投資家とは多額の投資金で取引を行い株式市場に大きな影響力のある投資家

・日本の株式の約83%は機関投資家が保有している

・機関投資家は空売りだけでなく長期投資メインの機関投資家も多数存在する

・ゲームストップ株で個人投資家連合が機関投資家の空売りを踏み上げたことがある

この記事を読んで頂いた方は機関投資家の空売りの手口についてご理解いただけたと思います。

機関投資家の空売りが発生したときはチャンスです。機関投資家の動きにならってあなたも利益を出しましょう。

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