「投資」と「トレード」はその言葉の意味が異なります。それぞれ資産運用においてはよく使われる用語ですが、一度、確認していきましょう。
目次
投資という言葉を辞書で調べてみました。
株式公開用語辞典(出典:株式公開支援専門会社(株)イーコンサルタント)
有価証券に「投資」をするという意味に於いて一般的な見解によると、利子や配当などのインカムゲインの取得を目的とした資金や資本を投下する行為を言う。ただしこの概念はあくまでも抽象的なものであり、実際には「投機」との区別を明確にすることができないことが多い。
つまり、投資というのは「価値」に資金を出すことを指します。株などにおいては、利益を得るためにその「株の価値」に資金を出すことを意味するのです。
経済活動以外にも、投資という言葉自体は何かの価値に資金援助をするような時にも使われるため、上記にあるように、自己研鑽や人間関係にも使用されることもあるのが「投資」です。
一方でトレードが何を意味するのか、こちらも辞書で調べてみました。
①デジタル大辞泉(出典:小学館)
[名](スル)
1 売買の取引をすること。貿易。
2 プロ野球の球団間で、選手の交換・移籍を行うこと。「他球団にトレードする」「金銭トレード」
よって「トレード」を一言でいうと「売買の取引をすること。貿易。金銭や保有権を交換すること。」というのが一般的な意味になります。
投資は将来的な展望を踏まえた上で、価値のあるもの・価値の上がりそうなものに資金を出すのに対し、トレードは現在の価格に対して「取引」をするということを指します。
◆投資 :将来を見据えた価値に焦点を当てている
◆トレード:現在の価値(価格)に焦点を当てている
こうやって比べてみると、全く意味が異なります。実際にはどちらも同じような場面で出てくるワードですが、「投資」は中・長期的なときに出ることが多く、「トレード」は短期的な場合に出てくることが多いです。しかし厳密に言えば、この2つの違いをしっかりと使い分けている人はかなり少ないと思われます。
それは、株式公開用語辞典の投資の項目にも書いてあった通り、「この概念はあくまでも抽象的なものであり、実際には「投機」との区別を明確にすることができないことが多い。」と辞典に書いてあるくらいだからかと思います。
※「投機」はどちらかと言うとギャンブルに近く「不確実なものを狙い、当たればリターンが大きいもの」
つまり「投資」という言葉は「投機」と区別するための言葉であり、「投資の中にトレードがある」と認識するのが正しいのかもしれません。
インターネットの仕組みが整い、誰でもトレードをする事が出来るようになってきました。海外では当たり前のように投資やトレードが行われていますが、日本は未だ投資後進国とも言われます。低金利の今だからこそ、投資やトレードの知識を蓄え、自分に合った運用を見つけてみてはいかがでしょうか。
今回は言葉の使い方について学びましたが、トレードを行っていたのに「投資」のつもりが「投機(つまりギャンブル)」になっていた。という事のないように注意してくださいね。