投資をしていれば、暴落に出くわすことがあります。
これまで貯金ばかりしていて、将来を考え投資をと思い手始めに投資信託から開始したら暴落した、という人もいるかもしれません。
今回は投資初心者に向けて、暴落となった場合にどのような対応をすればよいのかご説明します。
目次
まず、暴落とはどのような状況を指すのでしょうか。
何か世界的なトラブルが発生した場合、それに連動するように経済が減衰することがあります。
古くは世界大恐慌、そして記憶に新しい所ではITショックや、リーマンショックと言われるものがそれに当たるでしょう。
業績悪化となる、また悪化が予想される場合に相場が急激に大幅に下がり、下落幅が大きい場合は大暴落と言われます。
日経平均、過去10年間のチャートを見てみましょう。
2011年3月に株価は8,000円近くまで下落しています。
東日本大震災が起こり、日経平均は暴落しました。
それから復興、安倍政権の経済戦略もあり、株価は少しずつ上昇。
2017年後半には、バブル期以来初の20,000円超えを果たし、2020年1月は24,000円台で推移していました。
チャートを見てお気づきかと思いますが、上昇中も株価が低迷している時期があります。2016年なども15,000円台まで下がっています。
この時も「何かがきっかけで暴落になるのではないか」と不安になった人もいたはずですが、その後24,000円まで株価は上がりました。
その時に暴落があったとしても「後はどうなるか分からない」ということが、このチャートから見てとれるでしょう。
アメリカ経済は、世界にも、そして日本経済にも影響を及ぼします。
そこで、NYダウの10年チャートも確認しておきましょう。
2020年1月には27,000を超えていましたが、暴落が起こり一気に下がっているのが分かります。
それまでも途中に下がっていることが分かりますが、2020年コロナショックによる下げは一段と大きいように見えます。
これまでの暴落の時も、このままアメリカ経済は低迷するのではないか、と考えたエコノミストや投資家がいました。
今後どう推移するかは、まだ分かりませんね。
過去10年の日経平均やNYダウのチャートを見て、暴落について少し理解できた所で、投資信託はどうすればよいか、ということについて考えたいと思います。
投資信託もさまざまな種類のものがありますが、世界的暴落が起こった場合、たいていのものは値を下げるのが一般的です。
特に経済状態の良かった2019年から始めた投資信託であれば、評価がマイナスになっているものが多いでしょう。
インデックスに連動するものはもちろん、リート系投資信託も世界経済の影響を受けます。
一方、10年前に購入した投資信託は、評価が下がっていたとしても、まだまだプラスとなっているのではないでしょうか。
それは、日経平均もNYダウも10年前に比べれば随分値を上げているからです。
暴落時にどう対応するかは、投資家それぞれの判断にゆだねられています。
暴落した時に「このまま世界経済は勢いを失くし下降していく」と考えるのであれば、解約しマイナスを出すのもよいでしょう。
「一時的に暴落しているが、少しずつ元に戻るようになるだろう」を考える場合は、値の下がった時に買い足しをするのもよいかもしれません。
投資初心者は元本割れに慣れていないため、評価損益がマイナスとなると心が揺らいでしまうかもしれませんが、投資をしている以上、マイナスとなることは覚悟しなくてはいけません。
実際、日経平均もNYダウも上昇し続ける状況で、株や投資信託の購入を控えめにしていた人は多くいます。
「現在の状況は上がりすぎでは?」と判断したからです。
そうした投資家は、購入を控えめにしていた時期は、現金として蓄えていました。
暴落が起き、値が下がった時に「今であれば買いやすい」と判断する人もいるのです。
また、積立しながらコツコツと投資信託を買っていた人もいるでしょう。
同額をずっと積み立てていくのもよいですが、暴落時に積立金額を増やしたり、追加購入することもできます。
そうすることで平均取得額を下げることができ、もしその後に経済が元に戻ったり、それ以上に上がっていけば、暴落時に購入したことで評価損益を大きくプラスにすることも期待できるのです。
特に初心者向けに暴落時の投資信託への取り組み方をご紹介しました。
どの投資にも言えることですが、これまでのチャートを見ることはもちろん、新聞など経済状況を把握すること、またエコノミストなどの意見を知り、最後には自分で判断することが必要です。
有名な投資家が買っているから、売っているから、といった人に合わせたスタイルはお勧めできません。
初心者で投資信託の積立購入を行っている人であれば、何も変更せずに買い集めていくのもよいでしょう。
一度暴落を経験すれば、どのように評価損益が下がり、その後どう推移していくのかを体験することもできます。
その経験は、次の暴落時に活かすことができ、正しい判断に導いてくれるでしょう。
暴落はいつでも起こる可能性があります。
ですが「自分の考え」をしっかり持っていれば、慌てることなく耽々と対応することができます。
暴落後の経済がどうなるかを判断し、それに合わせて行動しましょう。