株式会社ソーシャルインベストメント

GPIFで運用されている銘柄は?

ニュースなどで一度は聞いたことのあるGPIFですが、どんなものなのかご存知の方は少ないと思います。

私たちの年金を運用し、老後資金を蓄えてくれるGPIFを知り、その運用方針から、今後の投資方針について考察してみましょう。

目次

私たちの年金を運用するGPIFとは?

GPIFとは、日本語で年金積立金管理運用独立行政法人といい、英語名のGovernment Pension Investment Fundの頭文字をとったものです。GPIFの目的は、厚生年金保険事業及び国民年金事業を安定させるために資産運用すること、となっています。

私たちの年金は世界の年金基金の中でも最大クラスで、GPIFが運用している資産の総額は150兆円以上となっています。これだけ大規模な資産を運用するとなれば、株式だけでなく、世界中の債券にも投資することになります。

GPIFは日本国民の年金を安定的に運用し、私たちの老後の安定を実現するため厳格な運営方針や行動規範が定められています。その中でも近年注目を集めている方針として、ESGを考慮した取り組みがあります。

ESGとは、環境(Envelopment)・社会(Society)・企業統治(Governance)に配慮している企業のことを指し、これらの企業を重視・選別して行う投資をESG投資と言います。ESG投資は、長期的に世界の発展と安定に資する投資方針として、年々注目度が高まっています。

GPIFのような世界最大規模の資産運用組織が、投資方針として採用することで、ESGを重視する企業に資金が集まりやすくなり、育ちやすくなるという相乗効果も期待されています。

GPIFは、私たちの老後資金を安定運用しつつ、世界の発展に寄与するような資産運用をする組織と言えるのです。

GPIFの運用方針と構成資産

GPIFの運用方針と構成資産を具体的に見てみましょう。GPIFは組織の特性上、高い透明性を要求されており、毎四半期に構成資産と運用成績が公開されています。2018年12月末の構成資産は以下のようになっています。

大きく分けると債券と株式、それぞれ国内外にバランスよく投資されていることがわかります。

gpif 運用資産額・構成割合
https://www.gpif.go.jp/operation/the-latest-results.html

さらに情報開示の一環として2015年に、保有する全銘柄の公表もしました。開示された株式の銘柄数は、日本株で2321銘柄、外国株で2793銘柄ありました。それぞれの上位銘柄を見ると日本株は、トヨタ自動車、三菱UFJフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループなどとなっていました。

また外国株はアップル、マイクロソフト、アマゾンとなっていました。これらの銘柄を見て誰もが思うことは、ずいぶん手堅い銘柄が中心になっているということです。まるで世界の時価総額ランキングを見ているようでしょう。

これにはGPIFの運用手法と目的が関係しています。まずGPIFはパッシブ運用という運用手法を採用しています。パッシブ運用とは参考にする株価指標に近い運用成果を目指す手法です。例えば日経平均を参考指標にすると、日経平均が年率3%上昇した年は3%を上回る成績をめざすように運用します。

有名な参考指標にMSCIインデックスがあり、おそらくGPIFも採用していると思われます。そのため、同指標と同じような銘柄構成と保有比率になります。その結果、世界の時価総額ランキングに近い資産配分になるというわけです。

GPIFの運用の目的は、私たちの老後が世界経済のなかで、豊かで安定したものになるようにすることなので、世界の株価指数と同じような資産の変動をしていれば、我々だけ貧しくなっていくことはないというわけです。パッシブ運用というと地味に聞こえますが、GPIFの運用目的を考えれば、採用されて当然と言えるものなのです。

GPIFの運用に選ばれやすい銘柄

これまでの解説で、GPIFに買われやすい銘柄が見えてきたと思います。世界最大級の運用資産を誇るGPIFが投資する銘柄を知っておけば、個人の資産運用の成績を上げるのにも役立つでしょう。改めて、GPIFの運用に選ばれやすい銘柄を整理してみましょう。

まず、運用方針から時価総額の大きな株価指数に採用されている銘柄が考えられます。日本株で考えると、そのまま時価総額の大きい順と言っていいでしょう。これらの銘柄を見つけるのは簡単です。しかし大型株が多いので、個人投資家が好む値動きの激しい銘柄は、期待できません。

もう一つのGPIFの運用方針に、ESG投資があります。こちらは時価総額に関係なく、ESGに配慮していると評価される企業を調べておけば、中小型株も見つけられるでしょう。GPIFに限らず、ESGに配慮している企業に投資する投資信託などは、中小型株にも投資します。時価総額が小さければ、少ない資金で株価が上がりやすいので、ねらい目と言えそうです。

これまでESG投資に注目していなかった個人投資家は、一度調査してみてはいかがでしょうか。

まとめ

GPIFについて運用方針から資産構成、実際に投資している銘柄まで紹介しました。

私たちの年金を運用しているGPIFの運用方針に沿った投資を行えば、個人投資家も運用成績の向上に役立ちそうです。

特にESG投資はこれから注目度が上がりそうなので、調査してみてください。

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