株式会社ソーシャルインベストメント

適正な株の売買回数

一度株を買ったら、それを何年も売らずに、配当金と株価上昇による資産の増加を享受し続ける投資家がいます。

一方で、数日に1回、1日に何回も、そしてそれ以上の回数で、株の売買をする投資家もいます。

では、株の売買回数というのはどの程度が適正なのでしょうか。それぞれのケースについて、その特徴を考えてみましょう。

目次

売買回数の少ない長期投資

売買回数が少ないことでまずメリットとなるのは、手数料と税金の支払いを抑制できることです。

証券会社のプランや売買金額によっては手数料がかからない場合もありますが、基本的に株は、売買するたびに手数料を支払わなければいけません。そして、売却益が出た場合は、税金も支払わなければいけません(そのため、非課税枠のあるNISA口座の開設は有益です)。

しかし、売買回数の少ない長期投資では、それらを先送りすることができます。売らずに含み益を抱え続ければ、かかるコストは購入時手数料のみとなるのです。

ですから、将来的な成長が見込め、株価が上昇し続けると判断できる銘柄に投資する場合は、売却後に安い値で買い直せなくなる事態も想定し、むやみに売らずにこれらのコストを抑えた方が、良いリターンを生むことができるのではないでしょうか。

そしてその企業の成長に伴い、投資家の資産も増えていくのです。

売買回数の多い短期投資

一方、高頻度での売買を重ねる場合はやはり、手数料と税金というコストの支払いは避けて通れません。

そしてその分実質リターンは減少するのですが、しかし、1回1回は少ないリターンでも、それを多く繰り返すことで、それらのコストを支払ったうえでも大きなリターンを上げることも実は可能です。

例を挙げてみましょう。

ある株を買い保有し続け、1年後に購入時手数料を差し引いても20%の含み益を得られる長期投資があったとします。

一方で、売買時の手数料と売却益にかかる税金を差し引いて、実質3%の短期投資を繰り返すとします。利益確定した3%はそのまま再投資し続けます。つまり、複利での運用です。

そしてこの取引を7回繰り返すと、1.03(3%)の7乗で、答えは約1.23、つまり元手に対して約23%のリターンとなります。前者のリターン20%を、上回ることができるのです。

加えて、前者の株を売り現金化するときは手数料も税金も発生します。ですからその場合は、より後者の方が良いリターンとなります。

このように、仮に手数料と税金を支払っても、例え1度の取引に対するリターンが少なくても、それを繰り返して複利で運用していくことで、大きなリターンを得ることも可能なのです。

単純に儲けたいと考えているならば…

世界最高の投資家と呼ばれるウォーレン・バフェット氏の投資手法は、「超優良企業への超長期投資」とよく言われます。

しかし、彼がまだ無名で、1950年代に資産運用のパートナーシップを始めた頃は主に、超割安株を買い、値上がりしたら売る、という取引を繰り返していました。裁定取引(同一のものに2つの価格がついているのを見つけ出し、安い方で買って高い方で売る取引)もおこなっていました。そして、その後有名になった時代よりも、リターン率では良い成績を上げていたのです。

その後彼は、資産規模の拡大に伴い、そのような超割安銘柄を買うことができなくなったなどの理由から、投資スタイルを変更しました。

ですから、現在よく言われる彼の「超優良企業への超長期投資」という投資スタイルは、状況の変化によって生み出されたスタイルであり、資産規模の小さいうちはそうではなかったといえるのです。

特定の企業に思い入れがあってできるだけその株を売りたくない場合や、投資にあまり時間を割きたくない場合は、長期投資もよいでしょう。

しかし単純に「儲けたい」と考えているならば…、結局、その時の状況や、自分の能力・性格に応じた売買をすればよいのです。

前述のとおり、売買の回数は少なくても多くても、十分なリターンを上げることが可能です。ですから適正な売買回数は、その人次第だといえるのではないでしょうか。

まとめ:ただ儲けるならば適正な売買回数はその人次第

少ない売買回数で手数料と税金を抑制する長期投資と、手数料と税金を払いつつも売買回数を多くしてリターンを積み重ねる短期投資があります。

そして、売買の回数は少なくても多くても、結果的に十分なリターンを上げることは可能です。

ですから、特定の企業に思い入れがあってできるだけ株を売りたくない場合や、投資にあまり時間を割きたくない場合は長期投資もよいのですが、単純に儲けたいと考えているならば、適正な売買回数はその人次第だといえるのです。

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