株式公開によって日々、証券取引所において株価が発表され、株式の売買が行われています。上場企業の公開情報は今後業績が伸びていくかどうかを判断し、株価がどうなっていくのかを考える上では参考になります。しかし、あくまでそれは参考までです。「情報は知った瞬間に過去のもの」になっている可能性が極めて高く、チャートにすでに盛り込まれてしまっていれば「完全な出遅れ」になっている可能性が高いためです。
だからこそ売買判断をするには「知識」「スキル」「経験」も欠かせません。そこで本記事ではそれを補完するスクリーニングついて解説します。
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適時開示情報とは、会社の事業内容・財務状況等の開示された情報の事です。「決算情報」や「電子公告」、「業務および財産の状況に関する説明書」、「自己資本規制比率」、「連結自己資本規制比率」、「分別管理の状況」、「営業状況」、「システム開示情報」、「年次開示資料」を見ることが出来ます。
特に、決算報告は株主にとって見逃せない情報です。
しかし、開示情報を見るだけでは株取引はうまくいきません。株価が値上がり、値下がりする理由にはさまざまな要因が存在するからです。
株価が動く要因として、企業情報や決算書の内容はその1つとして挙げらますが、もちろんそれだけではありません。トレンドや経済の状況、政策などさまざまな要因により株価が変動します。
こういった様々な要因を検討した上で株取引を行っていくには、膨大な知識と経験が必要となりますし、また、それらを兼ね備えていたとしても、情報を知った時には「過去の情報」になっており、すでに株価に織り込まれてしまっている事が多いです。
要は、個人投資家が情報を知った時には「すでに過去の情報」になっており、株価がすでに動いてしまっている状態です。
株は政治・経済の流れに影響されますが、個人投資家がそれらの情報をいくら仕入れようとしてもそれを使って上手にトレードするのは困難な状況なのです。ですので個人投資家はスクリーニングやトレードソフトを活用します。つまり、ここで必要なのは、そういったツールを活用できる「スキル」なのです。
そして、なによりも頼りになるのは、自分で株取引を行っていく中で積み重なっていく「経験」です。どんな素晴らしいネット記事やアナリストのレポートを読むよりも、自分が実際に経験したことが一番信憑性のある情報で有効活用できるものだからです。百聞は一見にしかず・・・ですね。
経験を積んできたからこそ、見えてくるものもあるはずです。
さて、ここで実際の例をみていきましょう。株を購入する際の流れは以下の通りです。
インターネットで楽天証券のページを使った取引をみていきたいと思います。今回は「流れ」を重視しますので、ここでは銘柄の抽出を簡単に行います。
楽天証券の「東証一部ランキング:値上がり」をみてみましょう。すると、銘柄名・現在値・売買代金の値上がり具合がランキングの一覧として確認することができます。
せっかくなので1位となっている銘柄の購入を考えてみたいと思います。
クリックすると、銘柄のページに飛びました。
確かにチャートを見てみると、ここ数日でぐんと株価が伸びていることがわかります。できればもう少し早い段階で購入できれば良かったですね。
業績予測をみてみましょう。ここでは、業績予想コンセンサスや同業者他者比較等が掲載されています。こちらのコンセンサスは、前日までに発行された証券会社21社のアナリストレポート上に記載された業績予想値をもとに算出しており、日々更新されています。他者比較などがあるのも良いですね。
そして、最後にこれまでの経験を活かしましょう。今回この銘柄を購入するのか、最終判断です。
「確かに急成長しているけど、このパターンで以前買ったら実はここが天井で、株価が急降下したことがあったな・・・」などとこれまでの取引を振り返ります。というわけで、今回は既にこの数日間で、大幅に株価が伸びてしまっているということもあるため、購入はしないという判断が考えられます。
公開情報を見るのは参考になりますが、あくまでそれは参考までとするのが無難です。「情報は知った瞬間に過去のもの」になっている可能性が極めて高く、チャートにすでに盛り込まれてしまっていれば「完全な出遅れ」になっている可能性が高いためです。
情報は参考にしても良いですが、最後になによりも頼りになるのは「自分」です。どんな素晴らしそうなネット記事やアナリストのレポートを読んだとしても、素人がいきなり株で大儲けできる訳ではありません。軸を持ってトレードを積み重ねる事で、初めて株式相場から利益を引き出すことができるようになります。