株トレード手法の1つに「乖離率」という概念があります。乖離率とは、移動平均線と株価がどの程度離れて(乖離して)いるかを数値化した指標です。
計算式:(株価移動平均乖離率)=(終値)/(株価移動平均)
株価が移動平均線より上にあるか下にあるかで表現が変わり、移動平均線より株価が上の場合は「プラス乖離率」、株価が下の場合は「マイナス乖離率」と呼ばれます。
そして「この乖離率には限界があるのではないか?」という前提条件のもとにしたトレードロジックが存在します。それが「乖離率」を使ったトレード手法です。
具体的には「乖離率+10%以上になる売りサイン」、「乖離率-10%以下になると買いサイン」というように、株価が移動平均線からある一定以上離れる事を見計らってトレードする考え方です。
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さて、そんな乖離率ですが「日本経済新聞」のサイトに一覧で表示されています。チャートで一つ一つの銘柄を確認していくのは大変ですので、ざっくりと銘柄を篩に掛けるため、まずは「日本経済新聞」チェックしてみるのが良いです。
公式サイト:https://www.nikkei.com/markets/ranking/page/?bd=mear25up_turnover
「日本経済新聞」では、「売買代金急増ランキング」という名称で、25日移動平均乖離率高位のランキングが発表されています。基準となっている移動平均線は25日移動平均線です。「乖離率」が気になる方は、まずはこちらで一覧を確認してみるのが一つの手段です。
もちろんチャートソフトやアプリでも乖離率をチェックできます。
チャートに移動平均線を表示させて株価を確認して、そこから計算して乖離率を求める事ができますが、以下チャート下部のようにオシレータ指標として「乖離率」を表示してくれる仕様のチャートもあります。
また、乖離率を使う時は移動平均計算期間に注意して下さい。
「日本経済新聞に比べてなんだか乖離率が大きいな」って思っていたら「移動平均線の期間が200日だった!」はよくある失敗事例です。
テクニカル指標を使うなら使うで「自分がどれくらいの株価平均値を参考にしているのか」はしっかり把握しておくようにして下さい。
株式トレードを続ける中で、さまざまな手法との出会いがあると思いますし、今回取り上げた乖離率もその中のひとつです。
しかし、どの手法を使ったとしても、上手くいくときと、上手くいかないときは必ずあります。
また、移動平均線に対して乖離率が大きくなるということは、それだけ株価が下がっているということです。
株価が下がっているという「事実」は、それだけ売り需要が大きすぎるという事なので、安易に買わない方が良いという場合もあります。
乖離率をひとつの基準として見てみるのも良いですが、やはり、出来高を伴って相場が上がってきているか?などに着眼しながらトレードしていくのが一番うまくいきます。
様々な着眼点でチャートを眺め、自分の手法を確立してトレードをより効率の良いものにしていきましょう。