株のデイトレードは同じ銘柄を何回も売買することがあります。
とくに話題が集まっている銘柄はトレンド相場になっていることも多く、一日に何度も取引チャンスがあることも多いです。
しかし、一部では「株で回転売買はできない」などの声も。
この噂は本当なのでしょうか?
そこでこの記事では、株のデイトレードの回転売買について解説。
株のデイトレードの回転売買の可否から、行うための方法などを丁重に解説していきます。
目次
株のデイトレードは同じ銘柄で回転売買は基本できません。
現物取引の場合、「差金決済取引の禁止」に接触してしまうからです。
差金決済取引の禁止とは、簡単に説明すると「同じ資金を使って同じ銘柄を売買するのは禁止」ということです。
例えば、以下のようなケースがあったとします。
上記の銘柄Aを18万円で買って当日中に19万円で売却。この時点だと口座残高は21万円です。
その後、まだ上昇しそうだったので再び銘柄Aを買おうとしたができない。
これが差金決済取引の禁止です。
上記の場合、同じ資金を使って同じ銘柄を売買しています。
最初の売買の時点で口座残高20万円に対して購入価格18万円であるため、残りは2万円です。
取引後の利益1万円を追加しても銘柄A の取引に使用できるお金は3万円となるため、残高不足です。
口座残高は21万円あるものの、18万円はすでに1度使用しているため使うことができません。
このように、株では差金決済取引の禁止があるため、デイトレードの回転売買が基本できないのです。
ただし、完全に回転売買ができないかと言われればそうではないです。その点を次章で解説します。
株のデイトレードで回転売買をしたいなら次の方法を使えば可能です。
シンプルに口座資金に余力を持てば回転売買ができるようになります。
差金決済の禁止になるのは、同じ資金を使って同じ銘柄を売買したときだからです。
であれば、口座資金を多く用意しておけば同じ資金を同じ銘柄に使ってしまう事態を避けやすいです。
例えば、購入価格10万円の銘柄なら口座資金100万円あれば10回取引できます。200万円なら20回です。
このように、口座資金に余裕があるほど差金決済の禁止に触れにくく回転売買が行いやすいのです。
購入価格の安い銘柄で取引するのも手です。
こちらは口座資金があまりない人におすすめです。
購入価格の安い銘柄なら、一回の取引に必要な資金を抑えられるため口座資金があまりなくても回転売買がしやすくなります。
銘柄を検索する際の条件に購入価格を追加して、購入価格の安い銘柄を見つけやすくしておくと便利です。
信用取引であれば制限なしで回転売買ができます。
■信用取引とは
信用取引とは、証券会社に担保を預けて行う取引方法です。口座資金の約3.3倍まで取引ができます。
信用取引は差金決済の禁止の対象外です。よって、どれだけ回転売買をしても問題ありません。
さらに信用取引は「売り」からでも入れます。
そのため、現物取引とはことなり、「買い」だけでなく「売り」のチャンスも利益に変えられるのがメリットです。
株のデイトレードで回転売買するときは注意点があります。
それは次の2つです。
回転売買時は売買手数料を抑えるようにしないといけません。
売買手数料を甘く見ていると手数料負けします。
株の取引では以下の売買手数料が発生します。
売買手数料が60円だとすれば、
新規売買手数料60円+決済売買手数料60円=120円
となり往復で120円かかります。そのため、1回の取引で120円の売買手数料を取られてしまうのです。
回転売買をするときは取引回数が多くなりがち。油断していると売買手数料もかなりのものになります。
仮に、1回の取引で120円の売買手数料を取られるなら以下のとおり。
取引回数 | 売買手数料 |
---|---|
50回 | 6,000円 |
100回 | 12,000円 |
200回 | 24,000円 |
売買手数料は積み重さなると、上記のようにかなりのコストとなり利益を減らしてしまいます。
売買手数料は証券会社ごとに異なり、各社によってはお得なプランがあるところもあります。
そのため、回転売買をするのであれば各社を比較して、なるべく売買手数料が安い証券会社を選ぶのがオススメです。
信用取引で回転売買をする際は、信用取引のリスクを把握する必要があります。
信用取引のリスクとは、レバレッジを掛けて口座資金以上のお金を動かせるため損失額が大きくなることです。
「レバレッジはメリットなのでは?」と思うかもしれません。
確かにメリットの部分もあります。レバレッジを使って勝てば、現物取引よりも少ないお金で大きな利益を得られるからです。
ただし、レバレッジを使って負けたときは損失額が大きくなります。
レバレッジは約3.3倍掛けられるため、損失額も現物取引の約3.3倍になる恐れがあるということです。
こうした信用取引のリスクを理解しておかないといけません。
株のデイトレードは同じ銘柄で何回も売買することは基本できません。
「差金決済取引の禁止(同じ資金を使って同じ銘柄の売買は禁止)」に接触してしまうためです。
ただし、差金決済取引の禁止に触れなければ回転売買ができます。
よって、以下の方法であれば回転売買が行えます。
なお、回転売買をするときは次の2つに注意しておいてください。