株式取引は原則として、安く買って高く売ることを目指していると言えるでしょう。しかし、株価が下がった状態で買うことはリスクがあることも事実です。
株価が下がり続けていると、いつまで下がるか分からないという投資者心理が働きますよね。しかし、それでは安く株を買うことは出来ません。
株式投資を行っていく際には多くの手法を活用することとなり、そのひとつが相場の流れに逆らう手法である「逆張り」です。
本記事では「逆張り」の概要説明から、逆張りを使った有効な売買銘柄のスクリーニング方法をご紹介します。
目次
「逆張り」とは株式トレーダーの間では有名なよく使われるトレード手法です。この手法は「相場の下落局面ではあえて買い、上昇局面においてはあえて売る」といった通常で考えられる売買の動きとは逆のことをするような手法のことを指します。
トレードの基本は「順張り」と呼ばれる手法であり「相場の下落局面では売り、上昇局面において買う」というのが一般的です。この「順張り」ではトレンドに沿った流れになり、より一般的で使いやすい手法としてトレーダーに知られています。つまり、「逆張り」というはこの「順張り」の逆のことなのです。
「逆張り」は成功すればかなり大きな利益を生むことになりますが、トレンドの流れに逆らって自分でタイミングをうまく掴んでいかなければならない手法です。それではどういった手法なのかを次項から解説します。
銘柄を探す作業をスクリーニングと言いますがネット取引が主流の今、簡単にスクリーニング設定ができます。
例えばSBI証券のスクリーニングではそもそも「逆張り型」を選ぶことができます。
そこに以下の情報を追加していきます。
これらを設定することで、逆張りの売買候補銘柄を簡単にスクリーニングすることができます。
該当銘柄を見つけたものの、その業界全体が斜陽作業である場合、PERは低くて当然です。
「大企業で業績が良いのに株価は低迷している」最初はこの発想で良いのです。そして、この発想をPER、PBR、ROE等に落とし込んでスクリーニングすることでより納得できる銘柄に出合える様になります。
まずは「逆張り」が可能な銘柄をまずは見つけることから始めます。銘柄を選択する際は、多くの方が既に使っていると思いますが、「スクリーニング」を利用します。このスクリーニングというのは株トレードソフト、株トレードアプリで利用することができます。 スクリーニングを使うと、カンタンに逆張りのタイミングを割り出すことができます。
実際に「逆張り」を狙う銘柄は以下の4つの条件でスクリーニングする事で見つける事が可能です。
1株あたりの利益から株価の割安性を判断する指標です。
計算式:PER=株価÷純利益(1株あたりの利益)
目安数値:0~25
株資本から株価の割安性を判断する指標です。
計算式:株価÷BPS(1株あたりの株主資本)
目安数値:0~7
企業の収益性を図る指標です。
計算式:当期純利益÷自己資本
目安数値:3%以上
乖離率とは、移動平均線と株価がどの程度離れて(乖離して)いるかを数値化した指標です。
つまり、株価と移動平均線の乖離率は、株価と移動平均線がどのくらい離れているかを示す指標です。
計算式:(株価移動平均乖離率)=(終値)/(株価移動平均)
目安数値:-5%以上
これら4条件により、「業績は良好であるが、株価が下がってしまっている」銘柄を検索することが出来ます。なお、スクリーニングによって銘柄が多く出てしまいすぎたり、少なすぎたりする場合においては、もう少し条件を緩めたり・厳しくしたりしてうまく活用してください。
楽天証券のiSPEEDで、実際に設定して検索をしてみたいと思います。まずは「スーパースクリーナー」を選択します。
すると、条件を入力できますが、PERなどがこの初期設定ではありませんので、 「条件追加」で自分で追加していきます。
PER、PBR、ROEは「財務」という項目から設定ができます。
株価移動平均線からの乖離率だけは、「テクニカル」という項目から設定を行います。
あとは、それぞれの数値を入力していくだけになります。
今回は、上記で挙げた目安数値を使いました。 すると、この条件では1031の銘柄がヒットします。
1,000銘柄以上はちょっとありすぎるので、もう少しシビアに数値を設定し徐々に絞っていくのがスクリーニングの手順になります。ある程度絞ったところで、それぞれの銘柄の公開情報などのチェックをして、ターゲットとなる銘柄を選定していきます。
売買銘柄スクリーニングのスクリーニングを行い、購入方法もわかりましたが、下落基調がどこまで続くのか分からないからこそ購入タイミングの判断が非常に難しいのです。
仮にある価格で購入したとしましょう。その後、上昇基調に変われば投資としては結果的には大成功なのですが、往々にして下落が続いてしまうことがあります。下落基調の中で買いを入れている為、そこから更なる下落が続くとこれはもう暴落です。
逆張りの場合、常に損切の判断が必要になるのですが、もともと損切を設定していない不慣れな投資家は誤った判断をしかねません。例えば「ナンピン買い」といって、下落基調が続く場合に調達コストを下げる意味でその銘柄を追加購入する手法です。
100株を株価1,000円で買った銘柄が下落し続け、追加で100株を株価800円で購入したとします。
この場合、購入金額200株180,000円ですので、平均取得価格900円となります。
反転基調に入れば900円で損益ゼロまで見えてきますが、そもそもの判断は損切りを設定していなかったためであり、資本回収期間の時期が不透明な取引に陥っているのです。
逆張りだけでなく順張りでも言えることですが、ナンピン買いの価格、損切の価格は事前に設定しておくべきでしょう。
スクリーニング手法の一つとして「逆張り」の銘柄選定方法について解説しました。
実際には「売られる要因」があって株価が下がってきているので、安易に逆張りを仕掛けるのは推奨しません。
どこまで下がるか分かりませんし「落ちるナイフをつかむな」という相場格言もあります。
割安感だけで銘柄を選ぼうとすると思わぬ失敗をしてしまいますから、の企業が提供する製品やサービス、成長性を自分なりに調べておくべきでしょう。
優れたスクリーニング機能を簡単に利用出来る時代になったのですから、企業や業界をより深く知ることで損切やナンピン買いを考え投資判断の確度が上がります。