1日のうちに株を買って売るデイトレード。
もちろん勝つことも負けることもあるはずですが、どのような勝ちパターンがあるのかを理解しておくことは、今後のトレードに役立つはずです。
デイトレードでは、ただ運が良くて勝つ、株式市場全体に上昇傾向があり勝つ、銘柄選択と買い値が良くて勝つ、の3つの勝ちパターンがあると考えられます。
そこで以下に、それぞれの勝ちパターンを考察してみましょう。
目次
まず理解しておくべきことは、「運が良くて勝つ」という勝ちパターンがあることです。
ファイナンス理論の1つに「ランダムウォーク理論」というものがありますが、それによれば、株価が上下する確率は五分五分であり、ランダムであるというのです。
もちろん、それはあくまで理論であり、賛否両論もあるでしょう。しかし、特に売買のスパンが短くなればなるほど、株価がランダムに上下しているという感覚をお持ちのトレーダーの方は、多いのではないでしょうか。
株式市場に参加する投資家はそれぞれ、様々な思惑を持って取引をおこなっています。ですからその結果として、株価が上下する確率が五分五分でランダムなものになるという説も、そう的外れではないでしょう。
一方、メディアはその日の株価の上下の「理由」を書きたがりますが、実はそれこそが的外れで、単なる偶然によって株価は毎日変化しているという説こそ、(特に短期の場合)現実の市場を正確に示しているのかもしれません。
したがって、デイトレードの勝ちパターンの1つに、「ただ運が良くて勝つ」というものが挙げられます。
そしてそれゆえに、運が良くて勝っただけなのに、それを自分の実力だと勘違いしないよう自戒することが、トレーダーには求められるのではないでしょうか。
さて、株価の上下がランダムだとしても、市場全体が上昇傾向にあり、上がる確率が下がる確率を上回る時期もあります。そのタイミングを利用してのデイトレードも、勝ちパターンの1つです。
例えばバブルが起きているときは、ファンダメンタルズなどおかまいなしに、株価はグングンと上昇していきます。
また、2012年12月から始まったアベノミクスにより、株式市場にはマネーが流入しました。結果、当初は1万円を切っていた日経平均株価が、2015年には2万円を超えました。
このように、株式市場全体に上昇傾向があり、株価が上下する確率が五分五分とはいえない時期があるのです。
もちろん、その中でも下げる日は当然あります。しかし、確率的には上がる確率が高いのですから、その時期に多くの回数をトレードすることで、利益を出すことも可能です。そして、それもまた勝ちパターンの1つでしょう。
ただし、このような市場全体の動向は急に変化することもありますので、その点にも注意が必要です
「株価」は市場によってつけられるものであり、その企業が持つ本質的な「価値」とは必ずしも一致しません。
もちろん良い企業には高い株価がつく傾向は当然ありますが、それでも過大評価されている企業や過小評価されている企業は存在します。
ですから、過小評価されている銘柄を見つけることもまた、デイトレードの勝ちパターンの1つです。
なぜならば、過小評価されている企業は「価値」よりも「株価」の方が低いということなので、その後の株価は、下がるよりも上がる確率の方が高いといえるからです。
しかしこのパターンで勝つ場合は、入念なファンダメンタルズ分析も必要となってくるでしょう。
価値の低さ相応に株価が低い銘柄を買ってもいけません。価値は高いがそれ以上の株価がついている銘柄を買ってもいけません。
価値を下回る株価がついている「掘り出し物」を見つけることにより、デイトレードにおいても勝つ確率を高めることが可能なのです。
一方で、そういった分析ができない場合は、このパターンで勝つことはできないといえます。
ランダムに上下する株式市場で、ただ運が良くて勝つパターン。
バブルや政策などにより、株式市場全体に上昇傾向があって勝つパターン。
価値より株価が低くなっている銘柄を見つけることにより、銘柄選択と買い値の良さで勝つパターン。
デイトレードにおける勝ちパターンには、以上の3つを考えることができます。
そしてそれらは、「勝つ理由」を示しているともいえ、同時に、どこに注意してトレードをするべきかも示しています。
ですからどうぞそれを、今後のトレードの参考になさってください。