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テーパリングが株価に与える影響を解説!【上げるのか下がるのか?】

「テーパリングが実施されると株価はどうなる?」

最近話題になる「テーパリング」ですが、上記のように株価への影響が気になる人は多いかと思います。

そこでこの記事では、テーパリングが株価に与える影響を解説します。

テーパリングが実施されると株価はどう動くか知りたい人は必見です!

目次

そもそもテーパリングとは?

テーパリングとは、「量的緩和政策」の資金量を段階的に減らしていくことを指します。

量的緩和政策はその国の中央銀行が市場に供給するお金を増やし、金融市場や景気のコントロールをするものです。

日本であれば日銀(日本銀行)が行い、米国であればFRB(連邦準備理事会)が行います。

上記の量的緩和政策の資金量を徐々に減らしていくのがテーパリングです。

例えば、過去に米国では2012年9月から7回にわたり従来毎月850億ドルだった買い入れ額を100億ドルずつ減らしていくテーパリングが実質されました。

テーパリングが株価に与える影響

テーパリングが行われると理論上、株価は下がるとされています。

その理由は以下のような流れになるからです。

  1. テーパリングによって長期金利が上昇
  2. 株価の割引現在価値が低下
  3. 多くの投資家に現在の株価が割高と判断される
  4. 株を売却する投資家が増えて株価が下落する

まず、テーパリングが行われると市場へのお金の供給が少なくなるため国債の買い入れが少なくなり長期金利が上昇します。

長期金利の上昇は資金調達コストが高くなるため企業の業績悪化に繋がるのです。

続いて、株価の割引現在価値が低下します。

割引現在価値とは、「将来見込める利益を現在受け取った場合の価値」です。

このため、割引現在価値が低下すると多くの投資家に現在の株価が割高と判断されやすいです。

株価が割高と判断した投資家は株式を売却するため売る人が増え、相場全体が下落に向かうという仕組みになります。

過去にテーパリングが起きた際に株価がどう影響したか?

過去の代表的なテーパリングとしては、2013年5月と6月に起きた「バーナンキ・ショック」が有名です。

バーナンキ・ショックとは、米国FRBのベン・バーナンキ議長の発言で株式市場が急落し、世界的な金融市場の混乱が起きた現象を指します。

米国ではバーナンキ・ショックのあと以下のようにNYダウが下落しました。

  • 2013年5月22日:2.5%下落
  • 2013年6月19日:5.1%下落

また、バーナンキ・ショックは日本の株式市場にも混乱をもたらし、2013年5月23日だと日経平均株価は前日比で1143.28円もの下落をしました。

1143.28円もの下落は、1日の下落幅として戦後12位にランクインしています。

株価の下落は一時的だった

バーナンキ・ショックによって株価は大きく下落しましたが、その下落は一時的でした。

2013年6月以降からは株価が上昇しはじめ、テーパリングの最中も株価は上昇し続けました。

実はテーパリングの特徴として、すでにテーパリングが起こることが織り込み済みであれば株価への影響はそこまで大きくならないという特徴があります。

株式市場は「テーパリングが起きるのでは?」という情報が織り込まれており、それが株価にも反映されているケースが多いからです。

すでにテーパリングに対しての準備が整っているため、テーパリングが実施されてもあまり影響が出ないか、影響が出ていても継続しないことが多いのです。

確かに、バーナンキ・ショックの場合は一時的に大きな影響がありました。

これは発言のタイミングが不意打ちに近かったからだと言われています。

誰も予想していないタイミングでバーナンキ議長が「テーパリングをするよ!」と発言したため、大勢の投資家たちがびっくりして相場が混乱してしまったのだと思われます。

次に大きなテーパリングが起きるとどうなる?

次回に大きなテーパリングが起きても、相場が大きく下落する可能性は低いと見られています。

株式市場がテーパリングを織り込んでいるからです。

実際、2021年9月にFRBのパウエル議長が「11月にテーパリングの開始を決定する」と発表しても相場に大きな混乱はありませんでした。

FRBのほうも2013年のバーナンキ・ショックは失敗だったと捉えているようで、その誤りを繰り返さないように慎重に対応しています。

このため、次回のテーパリングに関してはそこまで警戒する必要はないでしょう。

テーパリングの備えとして有効な3つの対策方法

次回にテーパリングが起きても相場に大きな影響が起こる可能性は低いものの、それ相応の準備はしておくべきです。

そこで有効なのが次の3つの対策方法になります。

  • 分散投資をする
  • すぐに見切りをつけない
  • レバレッジを掛けすぎない

分散投資をする

分散投資をすることでテーパリングによる相場変動リスクを回避しやすいです。

いくつかの銘柄を保有しておけば、どれかの銘柄が下がってもどれかの銘柄が下がらなければ被害は最小限に抑えることができます。

また、分散投資するのは株に限定する必要はありません。

投資先は為替や債券、先物などいろいろあります。投資信託やETFなどなら自然と分散投資とになるため、そちらを選択するのも良いでしょう。

すぐに見切りをつけない

テーパリングで相場が混乱してもすぐに見切りをつけないことが大事です。

過去の例を見ても、テーパリングで相場が下落してもそれは一時的ですぐに回復することが多いです。

相場がテーパリングを織り込んでいれば株価は戻ることが多いため、慌てずに様子を見ましょう。

レバレッジを掛けすぎない

信用取引をしているときはレバレッジを掛けすぎないように注意です。

信用取引では担保を預けることで口座資金の約3.3倍の取引ができます。

この点はメリットなのですがテーパリングで相場が大きく下落した場合、大きな損失を出してしまう恐れがあります。
下手をすると「追証」になることも。

追証とは、委託保証金(信用取引時に証券会社に預ける担保金)の不足が出てしまい追加入金しないといけなくなった状態です。

追証は証券会社に借金をした状態であり、追証額を支払わないといけなくなります。

場合によっては追証額が相当な高額になることもあるため、レバレッジを掛けすぎないようにしておきたいです。

まとめ

テーパリングは「量的緩和政策」の資金量を徐々に減らしていく金融政策です。

テーパリングが行われると理論上、株価は下がるとされているのが定説です。

実際、過去にテーパリングが実施された際、相場が動揺して株価が大きく下落しました。ただし、その影響は一時的だったのです。

多くの場合、テーパリングは相場に織り込み済みとなります。

そのため、相場への影響はそれほどなく、影響があっても一時的なものとなるのがほとんどなのです。

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