株式を売買する方法は「指値」と「成行」の2種類があります。指値とは、読んで字のごとく「値を指定して売り買いする」ということです。
この記事では株式投資をするうえで必ず必要になる指値の使い方と、指値はどのような場合に使うのかを分かりやすく解説します。
目次
指値注文とは、自分で「どの会社の株式」を「株価何円」で「何株」「買う若しくは売る」かを指定し売買する方法です。
例えば「A社の株式を株価1,000円で100株買う」や「B社の株式を株価3,000円で200株売る」等があります。
この場合、A社の株価が1,000円以下になったら購入、B社の株価が3,000円以上になったら売却されます。
SBI証券を例に指値注文時の画面を見てみましょう。
赤丸部を見てください。
これは「〇〇社の株式を1,000円で100株買う」と指値注文を出しています。
指値注文を使う場面はかなりあります。
例えば、あなたがA社の株式を株価1,000円で100株購入し保有している状態だとします。
マイルールとして10%の利益で売ると決めている場合に指値が有効的に使えます。
「A社の株式を株価1,100円で100株売る」と指値注文をすればいいのです。
その他にも、まだB社の株式を持っていなくて欲しいけど高くて買えない。
というときにも指値注文は有効です。
現在B社の株価が2,000円だとしましょう。このB社の株式を1900円になったら100株買いたい。
と考えている場合は「B社の株式を株価1,900円で買う」と指値注文しましょう。
指値注文は有効期限が設定できます。
有効期限を設定しておけば、その期間常にその指値注文は有効となりとても便利です。
例えば、あなたがA社の株式を株価1,000円で100株購入したいと思い、指値で買い注文を出したとしましょう。
しかし、株価が1000円まで落ちることなくその日の取引が終わってしまった場合は、もちろん約定しません。
次の日にまた指値で注文しなおす必要があります。
こんなときに便利なのが指値に有効期限を設定し注文する方法です。
具体的にSBI証券を例に注文画像を見てみましょう。
SBI証券では有効期限が「当日中」「今週中」「期間設定」とあります。
期間設定では最大15日営業日先まで日にちを選択可能となっています。
デフォルトは「当日中」なので、必要に応じて変更しましょう。
指値注文の有効期限の設定可能日数は各証券会社によって異なります。
主要な証券会社の有効期限の設定可能日数を表にまとめましたので参考にしてください。
証券会社 | 指値注文の有効期限設定可能日数 |
---|---|
SMBC日興証券 | 翌月末まで(最長2か月間) |
楽天証券 | 30営業日 |
マネックス証券 | 30日間 |
SBI証券 | 15営業日 |
野村證券 | 7営業日 |
松井証券 | 週末まで |
指値注文を出したのに売れなかった原因は以下の2つが考えられます。
この2つについて詳しく解説します。
株価が指値で注文した値に到達しなかった場合は約定しません。
例えば、あなたがA社の株式を「株価1,000円で100株買う」と指値注文を出していたとしましょう。
株価は1,001円まで下がってきたがその後上昇してしまった場合がこの理由に該当します。
売り指値も同様で「株価1,000円で100株売る」と指値注文を出していた場合、株価が999円までしか上昇しなかった場合は約定しません。
株価が指値で注文した値に到達したが約定しなかった場合は、板がとても厚い時によく起こります。
実際に板を見ながら説明します。
あなたはこの銘柄に「株価22円で1,000株買い」の指値注文をしたとします。
この銘柄の株価は一時22円をつけてその後上昇し、終値は23円であったとしましょう。
あなたが出した「株価22円で1,000株買い」の指値注文は約定したと思いますか?
答えは「約定したかもしれないし、約定していないかもしれない」です。
どちらの可能性もあるなんて不思議ですよね?
詳しく説明していきます。
まず板の画像の赤丸部を見てください。
「23円の売気配株数が869,900株」となっています。
これは23円で指値売り注文されいているのが合計で869,900株あるという意味です。
同様に「22円の買気配株数が1,095,600株」というのは指値買い注文されいているのが合計で1,095,600株あるという意味です。
あなたが出した「株価22円で1,000株買い」の指値注文もこの中に含まれています。
ここで株価が一時22円を付けたという意味について説明すると「最低でも100株」は22円の買い注文が約定したという意味になります。
つまりこの銘柄において、22円の買い注文が約定した株数は100~1,095,600株の可能性があるということです。
よってあなたが出した「株価22円で1,000株買う」という指値注文は「約定したかもしれないし、約定していないかもしれない」となります。
結論から言うと、成行注文が優先されます。
なぜ成行注文が優先されるかを説明するためには「価格優先の原則」について知る必要があります。
価格優先の原則とは分かりやすく言うと、買い指値の場合はより高い値の指値、売り指値の場合はより安い値の指値が優先されるということです。
そして、価格設定をしない注文方法である成行注文が最も優先されます。
具体例を示すと、100円買い指値の人、101円買い指値の人、成行買い注文の人がいた場合の優先順は
成行>101円買い指値>100円買い指値
となります。
同様に売りの場合は
成行>100円売り指値>101円売り指値
の順に約定していきます。
指値注文とは、自分で「どの会社の株式」を「株価何円」で「何株」「買う若しくは売る」かを指定し売買する方法です。
株式の指値注文についてお伝えした、様々な情報を以下にまとめました。
この記事を読んで頂いた方は「指値」はどのように使えばいいか。どんなときに使えば効果的かを理解して頂けたと思います。
指値注文を有効に使って株式投資で利益を出しましょう。