株の取引手法はさまざまであり、特徴的なのはその「売買する期間」です。
売買する期間でトレードスタイルが大きく異なり、株価チャートや企業情報など見るポイントが異なります。
売買する期間やトレード手法を決めないまま、適当なトレードしていると株を買うタイミングや利益を得るタイミングを間違え、大きな損失を被る可能性も高まるでしょう。
今記事では、短期間の売買で利益を得るためのトレード手法に加えて、「仕事をしているから株の売買に時間が取れない。」「週明けに株価がどうなっているかハラハラしたくない。」という方にオススメの「ウィークリートレード」もご紹介します。
目次
短期売買の中でも、大きく分けて「超短期」「短期」2種類の手法です。
2種類とも同じように感じますが、手法は異なり売買のタイミングも違います。
「超短期」「短期」の手法を覚えておきましょう。
株式投資の超短期手法である「スキャルピング」。
どれくらい超短期と言うと、極端に言えば1分前に株を買って、1分後には株を売却していることもあります。
1度に大きな利益を得るというよりは、短い時間で利益を得る回数をたくさん狙う手法です。
1回1回は薄利だとしても、数多く取引することで1日の利益をとることができます。
スキャルピングは1日の値動きに張り付いていることはなく、1時間しかトレードする時間がなくても、値動きの大きい銘柄を狙って売買を繰り返すことが可能です。
サラリーマンやOLだとしても、お昼休みの30分でトレードができる超短期手法。
瞬間的な判断が必要となるため、初心者向きではありません。
株式投資でよく耳にする手法のひとつ「デイトレード」。
1日の中で売買をする「短期手法」であり、スキャルピングと間違えている方も多いでしょう。
デイトレードは、スキャルピングのように瞬間的な株価の値動きを狙うというよりは、1日の中の値動きを読んで利益を狙います。
翌日にポジションを持ち越すことはせず、株式市場が終わったあとの変化でリスクを負わないことがポイント。
1日の中で売買を完了しないと、海外の株式市場や悪材料の影響を受けて、翌日思わぬ損失を受けてしまう心配があります。
デイトレードは1日の動きだけなので、トレンドや傾向を気にせず、その日の底値を狙ってポジションを取ってなるべく高値で売り抜ける特徴です。
「スキャルピング」「デイトレード」のような短期売買手法で、利益を得るにはポイントを理解しておくことが必要です。
超短期手法と短期手法で同じように思われがちですが、売買のタイミングも異なり、利益を得るために見るポイントも違います。
「スキャルピング」「デイトレード」で、利益を得るポイントをご紹介します。
スキャルピングの特徴は、瞬間的な値動きでも利益を得ることができること。
そのためには、値動きの激しい銘柄を選ぶことが基本です。
値動きがないと短い時間で売買を繰り返すことができず、利益を狙うこともできません。
そこでポイントとなるのが「時間」であり、株式市場が開いている時間で特に値動きが大きくなりやすい時間帯があります。
市場が開く9時から9時30分、前場が終わる11時から11時30分、後場が始まる12時30分から1時、市場の終了が近づく14時30分から15時の4つが大きな時間のポイント。
そこの値動きで、いかに利益を得る売買が数多く行えるかで勝敗が決まります。
スキャルピングの売買には、株価チャートはもちろんですが、出来高や板読みが重要です。
出来高で売買量がわかり、板読みでは現在の株価前後でどれくらいの注文が入っているかがわかります。
そのデータから値動きが上に行くか、下に行くかを先読みして売買を狙うことが利益に繋がるでしょう。
デイトレードで利益を得る特徴は、1日の中でなるべく低い価格でポジションをとり、なるべく高い価格で売り抜けること。
スキャルピング同様で銘柄選びは重要であり、値動きがあることが大前提です。
デイトレードも1日の中で取引を完結するため、基本的にトレンドを気にする必要はありません。
なぜなら下降トレンドの銘柄でも、1日の中では上下運動を繰り返すからです。
しかし、高値掴みをしてしまうと危険なため、欲張ったトレードには気を付けましょう。
ウィークリートレードは、その名の通り「2日から1週間の間」で取引で、日をまたいでトレードをするため、少し余裕を持って行うことができるのが特徴です。
毎日チャートを見る必要がないため、日中仕事をしておりトレードをすることができないサラリーマン向きの手法ともいえます。加えて、1週間で確定させるため週をまたぐことがなく、落ち着いて休日をエンジョイしたいという人にはちょうどいいトレード方法ともいえます。
毎日株価をチェックしながらトレードを行う時間的・心理的余裕はないが、1週間単位でトレードを行いたい、そして休日は精神的にゆっくりと過ごしたいという人にマッチする手法と言えますね。
ウィークリートレードでの売買ポイントは「機械的に売買計画を立てて実行すること」です。そのために指値、逆指値の計画を週末に立てて発注を行います。
購入金額、売却金額、損切金額を決めておくことで、想定外の損失を防ぐことが目的です。
それではチャート共に具体例をみてみましょう。
神戸物産(3038)は、今人気の「業務スーパー」を始め、小売りから製造まで食に関わる事業を展開しています。テレワークの定着化や在宅時間の増加もあり、コロナ禍の今でも高値を更新しています。
3年チャートで見ると、コロナショックの影響で一時的に下がっているものの、その後、グンと株価が伸びているのが分かります。
今はいったん落ち着いた感じとみることもできるでしょう。
上のチャートは3ヶ月のものです。
5日チャートですと、このようになります。
基本は相場が上昇していれば買い、相場が下落していれば売るという順張り投資です。
どのチャートを見ればいいのか迷うかもしれませんが、ウィークリーであれば日足チャートで相場の方向性を見るのがよいでしょう。
つまり、上記の3つであれば3ヶ月チャートで方向性を見極めます。上昇トレンドに入っていくように見えれば、売買を開始するのもよいでしょう。
5月、6月頃に上昇トレンドを掴めていた人は、トレードで利益を多く確定できた銘柄でもありますね。
3年チャートでは週足で、その株の全体像を見ることもできますから一緒にチェックしておくのもおすすめです。
また、銘柄選びは最も大切です。次々と新しい銘柄で行う人もいますが、銘柄数が多くなると資金管理や銘柄管理が複雑となります。
これ!という銘柄を決めたら2銘柄で行っていくとよいでしょう。
少なければ、その銘柄についての情報も漏らすことなく、状況把握がしやすくなります。値上がり率ランキングで日経平均の225銘柄から探し出すのがおすすめです。
株の短期トレードと言っても、手法の特徴は異なり利益を狙うポイントはさまざまです。
「スキャルピング」と「デイトレード」の特徴を理解し、自分に合ったトレード手法を選ぶと良いでしょう。
また、トレードの時間を確保することが難しいサラリーマンの場合はウィークリートレードが合うかもしれません。チャートにかじりつく必要はなく、上昇トレンドに上手に乗って利益を得られる可能性があります。
加えて、週末にクローズするためにポジションを持った週末を過ごしませんから精神衛生も非常に良いです。
株の売買手法はさまざまです。自分にあった手法を探すことも大切。生活スタイルに無理ないものを知り、手法を学んでいく努力をしましょう。