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株のスキャルピングで板読みをするための基礎知識【初心者向け】

株のスキャルピングにおいて板読みはぜひとも身につけたいスキルです。板が読めれば、買いと売りの需要と供給や価格ごとの壁の厚さなどが判断しやすくなるからです。

そこでこの記事では板読みをするための基礎を解説。初心者でも板読みするための知識が身につき、スキャルピングに役立てることが可能です。

目次

板読みの基礎を確認【読み方と各状態の意味】

まずは基本的な板の読み方を解説します。板はおもに以下の5つで構成されています。

板を構成するのはこの5つ

  1. 気配置
  2. 売数量
  3. 買数量
  4. OVER
  5. UNDER

気配置は株価になります。売数量と買数量の境界である真中が現在の株価(上記図なら1,000)であり、1,000とあれば現在の株価は1,000円です。

売数量はその値段に入っている売り注文の数です。例えば、先の図なら1,030円に90とありますので、1,030円に90株の売り注文があることを意味します。買数量はその値段に入っている買い注文の数です。980円に60とあれば、60株の買い注文が入っていることを意味します。

OVERは「板に表示してある売り値段以上の注文の総数」です。先の図のケースでは1,030円より上には1,000株の売り注文があることになります。UNDERは「板に表示してある買い値段以下の注文の総数」です。先の図のケースなら970円より下には800株の注文があることを意味します。

板は株価の決まり方を分かるようにしたもの

板を見れば株価がどのように決まっているのか分かります。株価ごとの注文数が確認でき、どのようになったら株価が動くか分かるからです。

例えば、先とおなじ板に1,010円へ150株の買い注文が入ったとします。

上記の場合、1,010円には100株が売りだされています。よって、「100株-150株=-50株」となり、100株の売り注文は150株の買い注文にすべて食われ株価が1,010円に上昇するのです。その後、板は以下のように変化します。

1,010円の100株分の注文は成立しましたが、残りの50株は成立していません。そのため、1,010円の買数量の部分に成立待ちとして出現します。このように株価ごとの注文数を表示し、どのくらいの注文が成立したら株価が変動するかを確認できるのが板なのです。

板の特殊な状態3つ

板には状況によって特殊な状態になり、次の3つのいずれかが記載されることがあります。

板に次の3つが記載されることがある

  1. 「前」
  2. 「特」
  3. 「S」

詳しくは次章をご確認ください。

「前」は寄り付き気配

以下のように「前」と表示されているときは「寄り付き気配」です。

寄り付き気配とは株式市場が開始される前に表示されるものです。そのため、前場である9時と後場の12時30分より前に板を見ると表示されています。ツールによっては「寄」と表示されることもあるようです。

「特」は特別気配

次のように「特」と表示されているときは「特別気配」です。

特別気配とは「更新値幅」を超える注文が入ったときに起こる措置です。株式市場では株価の乱高下を抑えるために1回に動く値幅が制限されています。それが更新値幅です。

例えば、直前の価格が200円以上500円未満ですと更新値幅は8円です。よって、買いと売りともに20円や30円などの8円以上動く必要がある注文が出ると特別気配となります。

特別気配となると一旦取引はストップし、3分ごとに更新値幅の範囲内で株価を更新して、注文が成立しやすい株価まで近づいていきます。更新値幅が8円であれば、3分ごとに8円ずつ株価を更新して注文が成立しやすいようにしていくということです。

「S」はストップ高とストップ安

次のように「S」と表示されているときは「ストップ高・ストップ安」です。

ストップ高とストップ安とは、1日の値動きが「値幅制限」に達したときにされる措置です。株式市場では値幅制限というものがあり、「基準値段(通常前日の終値)」から決められた価格以上の値動きはできないようになっています。

例えば、基準値段が700円以上1,000円未満ですと値幅制限は150円です。よって、上下ともに150円以上の値動きはできません。基準値段が800円なら上は950円、下は650円までの値動きが限界ということです。

このように1日の値動きが値幅制限に達してしまい、それ以上の上昇(下降)ができなくなった状態をストップ高とストップ安と言います。

板を確認して分かることはおもにこの2つ

板を確認すればおもに次の2つが分かります。

板を確認して分かることはコレっ!

  1. 買いと売りの需要と供給
  2. 株価ごとの壁の厚さ

詳しくは次章をご確認ください。

買いと売りの需要と供給

板を確認すれば買いと売りの需要と供給が分かります。

買いの注文数が多ければ買いたいと思っている人が多く、売りの注文数が多ければ売りたいと思ってる人が多いことになるからです。

株価は基本的に需要が多いほうに進みやすいです。先に解説したように株価は、その価格にある注文数が全部消費されると動くからです。

このため、買い注文のほうが多ければ株価は上昇しやすい傾向にあり、売り注文のほうが多ければ下降しやすい傾向があります。

株価ごとの壁の厚さ

板を確認すれば株価ごとの壁の厚さが分かります。

株価は板にある注文数が全部消費されないと動かず、注文数が多いほど消費されにくいからです。

上記の板ですと買数量が410株である990円が一番壁が厚いです。このため、990円が一番突破されにくいと予想できます。次点で買数量が350株ある980円です。このように板を確認すれば株価ごとの壁の厚さが分かるのです。

板読みスキャルピングのおすすめ手法2つ

ここからは、板読みスキャルピングをどのように行なえば良いかを解説します。板読みスキャルピングにおすすめの手法は次の2つです。

板読みスキャルピングのおすすめ手法はコレっ!

  1. チャートの抵抗線+キリ番の同時ブレイク
  2. 厚い板を背にして仕掛ける

手法の詳しい解説は次章でお伝えしていますのでそちらをご確認ください。

チャートの抵抗線+キリ番の同時ブレイク

チャートの抵抗線とキリ番の同時ブレイクは、その名のとおり2つのブレイクアウトを狙う手法です。

抵抗線とは「レジスタンスライン」と「サポートライン」のことを指します。レジスタンスラインは株価の上昇を抑える効果があり、サポートラインは株価の下降を抑える効果があります。この2つのラインはブレイクされると株価が大きく動く傾向があるのです。

キリ番は100円や1,000円などのキリの良い数字のことです。キリ番も抵抗線になることが多いですが、そこを超えられると株価が大きく動くことが良くあります。

チャートの抵抗線とキリ番が重なる以下のような状況のときにブレイクアウトしそうなら、狙っていくのが「チャートの抵抗線+キリ番の同時ブレイク」です。

上記では1,000円にレジスタンスラインがあります。そして現在の株価は990円です。このまま上昇すればキリ番である1,000円を突破しますので、レジスタンスラインとキリ番の2つのブレイクアウトが起きます。2つのブレイクアウトを利用できるという優位性があるのです。

なお、仕掛けるときに次に解説する厚い板を背にして仕掛けられる状況であると、トレードの成功率が上がっておすすめです。

厚い板を背にして仕掛ける

厚い板を背にして仕掛けるという方法も有効です。板が厚ければそれが壁となって逆行を抑えてくれるからです。

何度も言いますが株価が動くのは、その株価に入っている注文数が消費されたときです。例えば、現在500円で501円に100株の売り注文があるとします。このとき、501円になるには100株の注文が買い注文によってすべて消費されたときです。そのため、沢山の注文数が入っているほど株価は動きにくくなります。

よって、板が以下のような状況ですと逆行を抑えてくれやすくなるのです。

上記では買いの注文数が売りの注文数よりも明らかに多いです。そうしたことから、売り圧力を買いが吸収しやすい状況であり、買いを仕掛けるのに適した状況であると言えます。そうした優位性で仕掛けるのが厚い板を利用した手法です。

また、先に解説した抵抗線を利用するとさらに優位性が増します。抵抗線は株価の勢いを抑えて反発させる効果があります。買いならサポートラインを背に、売りならレジスタンスラインを背に仕掛ければ厚い板に加えてさらに優位性を追加可能です。

板読みスキャルピングをするときは「見せ玉」に注意!

板読みスキャルピングをするときは「見せ玉」を警戒しておきたいです。見せ玉があると板情報が当てにならないケースがあるからです。

見せ玉とは売買する気がないのに発注している注文を指します。大口の投資機関などは相場を自分に有利な状況へと操縦するために売買する気のない注文を出すことがあるのです。例えば、以下のような板があったとしましょう。

上記では970円と980円までに多数の注文が発注されています。そのため、980円以下の壁は厚いと予想でき、そう簡単には下落しないと考えがちです。よって、これらの価格帯を壁にして仕掛けてくる人が大勢います。

そうしますと株価は一時的に上昇します。その後、見せ玉を仕掛けていた投資家は980円と970円の大量の買い注文を取消します。つまり、株価を自分の目標値に上昇させるため、買いを誘い込む目的で大量の買い注文を発注していたのです。このように、相場を操縦する目的で見せかけの注文を多く発注するのが見せ玉です。

見せ玉は違法行為なのですが見せ玉かどうかを見分けるのは困難なため、頻繁に行なわれています。このため、板の情報を過信し過ぎないことが大事です。

見せ玉にどうやって対策するか?

見せ玉を見破るのは難しいです。対策としては多くの注文がある株価に近づいたときにその注文が取消されるか否かになります。見せ玉は成立させる気がない注文だからです。

もう一度の先の板を確認してみましょう。980円と970円に目立って多くの買い注文が発注されています。

上記のようなケースのとき、株価が980円に迫ったときに突然、大量の買い注文が取り消されたら見せ玉であった可能性が高いです。例えば、980円の買数量が920株から170株になるなどです。

このように目立って多くの注文がある価格帯に株価が迫ったとき、大量の注文が取消されると最初から取引する意思がなかったと判断できます。そのため、見せ玉であった判断できるのです。

まとめ

板読みスキャルピングについてのまとめ

・板読みスキャルピングをするときは板の基本的な読み方をマスターしておく。板を構成する「気配置」・「売数量」・「買数量」・「OVER」・「UNDER」の5つと、板で株価の決まり方が確認できる点は最低限覚えておく必要がある  

・板を読めるようになれば、「買いと売りの需要と供給」と「価格ごとの壁の厚さ」が分かるようになるので相場の分析をする際に大変役立つ  

・板読みスキャルピングにおすすめ手法は「チャートの抵抗線+キリ番の同時ブレイク」と「厚い板を背にして仕掛ける」の2つ。この2つは組み合わせも可能  

・板には「見せ玉」があるので要注意。大口トレーダーが相場操縦をするため、売買する気がない注文を発注していることがあるため、板の情報を過信し過ぎないようにする

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