「スキャルピングをして口座凍結になった」
「出金拒否されて利益を引き出せない」
このようにFXだとスキャルピングで口座凍結や出金拒否になることがあります。株でも同様になるなら不安がありますよね。
では、株式の場合だとどうなのでしょうか?
目次
株のスキャルピングを禁止してる証券会社はありません。
このため、スキャルピングをしても口座凍結や利益没収になることはないので安心してください。
株でスキャルピングが禁止されない理由は「株の取引は取引所形式で行なわれる」からです。証券会社は仲介役にしか過ぎないのでスキャルピングによる不利益を得ることはないのです。
詳しく理解するにはFXでスキャルピングが禁止される理由を知っておくと分かりやすいため、そちらから解説していきます。
FXでスキャルピングが禁止される理由は「相対取引」だからという説が強いです。 相対取引とはFXであれば、証券取引所を通さずに顧客とFX会社で売買をする取引となります。イメージは以下のような感じです。
上記のようにFXは顧客とFX会社が直接取引するのが基本です。顧客の注文はFX会社が受付して売買を直接成立させます。その後、FX会社は各国の為替市場で売買をして利益を出すという形になっているのです。
具体的には顧客が1,000万円分の買いを入れたら、FX会社は同額の売りを入れます。これを「カバー取引」と呼びます。
スキャルピングのような短期売買を許可すると「注文を処理しきれない」という事態が発生し、カバー取引が間に合わないということがあるのです。
そうなると、FX会社は大きな損が出してしまう可能性があるため、スキャルピングを禁止している会社が多いというのが定説です。
株はFXと違って、スキャルピングされても証券会社に損が出ることはありません。
株は「取引所形式」となるため、株式のやり取りは投資家同士ですることになります。つまり、「ある人が売り出した株をある人が買う」という形になります。
FX会社のようなカバー取引をしているわけではなく、証券会社は仲介作業をしているだけです。よって、どんなに注文が入っても損になることはないのです。
また、株の場合、取引する度に手数料が発生します。顧客が取引するごとに利益となります。よって、証券会社にとってスキャルピングはむしろ歓迎すべきことなのです。
そうしたことから、株ではスキャルピングを禁止にする理由がないのです。
株のスキャルピングをする際は「差金決済の禁止」について知っておく必要があります。
差金決済の禁止とは、「同じ資金で同じ銘柄の取引ができるのは1日1回まで」というルールです。
例えば、口座資金が100万円のときAという銘柄で70万円の現物取引をしたとしましょう。この場合、使用した70万円はAで取引できません。Aで取引できるのは「100万円-70万円=30万円」となり、30万円のみとなります。
このように同じ資金で同じ銘柄を再度取引できないというのが差金決済の禁止です。
スキャルピングは回転売買ですので同じ銘柄を複数回取引することも多いです。そのため、差金決済の禁止への対処方法を知っておく必要があります。
差金決済の禁止への対処方法
一番確実でシンプルなのが「資金に余力を持つ」ことです。
30万円の取引を同じ銘柄でする場合、資金が90万円なら3回しか出来ません。しかし、資金が300万円なら10回可能です。このように資金力があればそれだけ差金決済の禁止に対処しやすいです
信用取引をするのも手です。
信用取引とは証券会社にお金を預けてそれを担保に株の売買ができる方法です。レバレッジによって担保にしたお金以上の取引ができます。差金決済の禁止は現物のみに対するルールですので信用取引は対象外です。
株のスキャルピングでは手数料に気をつけておかないといけません。
取引する度に手数料が発生するからです。
例えば、「SMBC日興証券」のオンライントレードでは以下の手数料が発生します。
約定代金 | 手数料 |
~10万円 | 137円 |
11~20万円 | 198円 |
21~30万円 | 275円 |
31~50万円 | 440円 |
51~100万円 | 880円 |
例えば、31~50万円までの取引ですと1回あたり440円の手数料が発生します。仮に20回の取引をしますと「440×20=8,800」となり、手数料だけで8,800円もかかってしまうのです。このため、8,800円以上の利益を出さないと赤字になります。
手数料への対策は取引手数料の安い証券会社を選ぶことです。
例えば、SBI証券の「現物取引アクティブプラン」は1日の取引金額100万円まで無料です。楽天証券の「いちにち定額コース手数料」も1日の取引金額100万円まで無料となります。
こうした手数料を安くできる証券会社を選ぶことで手数料負けの状態を回避しやすくなります。
株のスキャルピングでは銘柄の厳選をしておくのも大事です。
スキャルピングはスピードが求められる取引方法であるため、できる限り少ない判断で取引できるようにしておく必要があるからです。
取引候補の銘柄が多すぎるとどれを取引しようか迷ってしまいます。その間に取引チャンスを逃してしまうこともあり得ます。
そのため、取引候補の銘柄は絞っておくのがおすすめです。最初は多くても2~3個程度にしておくのが良いでしょう。
株のスキャルピングでは利確と損切りのルールをしっかり決めておかないといけません。
スキャルピングでは素早い行動が必要となるため、判断のスピードが勝ち負けに直結してきます。事前に利確と損切りのルールをしっかりしておかないと負けトレードに繋がることがあるのです。
そのため、「○○円上昇したら利確する」「○○円下降したら損切り」するなど事前にルールを決めておく必要があります。
株のスキャルピングでは取引時間を限定することも重要です。
スキャルピングは集中力が必要になるからです。集中力を欠いたままダラダラやってしまうとミスに繋がります。そのため、時間を限定して取引するのが有効です。
おすすめは市場が開始して「30~40分」くらいまで。前場なら「9時~9時40分」、後場なら「12時30分~1時10分」までになります。
市場開始から30~40分くらいまでが、相場が活発に動く傾向がありますのでスキャルピングをしやすいからです。
株のスキャルピングを禁止してる証券会社はないです。
株はFXと違い「取引所形式」となるため、スキャルピングによって証券会社が不利益を得ることはないのです。顧客が取引するほど手数料を得られるため、むしろ証券会社はスキャルピングを歓迎しています。
このため、株でスキャルピンをしても口座凍結や出金拒否になることはないので安心してください。
なお、株のスキャルピンググには以下の5つの注意点があるので確認しておきましょう。