株価チャートにはローソク足とともに移動平均線が表示されています。
移動平均線はその時の平均値を結んだ線であり、株価の動向を見る大切な指標となるため、ローソク足と同様に目が離せないポイントです。
そこで今回は、移動平均線が示す取引における大切なサインの「ゴールデンクロス」をご紹介します。
ゴールデンクロスは、株の買い目ポイントを知るための大きなサインですから必ず覚えておきましょう。
目次
ゴールデンクロスは株式サイトや掲示板などでも良く目にする重要な専門用語のひとつです。
ゴールデンクロスとは、移動平均線があらわす形であり、移動平均線の短期線が長期線を下から上に突き抜ける形でクロスした状態を言います。
例えば、株価チャートに移動平均線の5日線と25日線を表示した場合、今までは25日線が上、5日線がその下を動いていたとします。
あるキッカケにより、株価が上向きに変化して上昇トレンドに転換。その時に5日線が上向きとなり、25日線よりも早く変化するため、5日線が下から上へ25日線とクロスする形となります。この状態が「ゴールデンクロス」です。
そして、ゴールデンクロスの反対を意味する「デッドクロス」の場合もあります。
デッドクロスの動きはゴールデンクロスの反対であり、5日線が上で25日線が下を動いている状態から、5日線が下降して25日線を上から下に抜けてクロスしている状態です。
ただしのクロスの見方にも注意が必要で、短い期間の移動平均線ほどちょっとした動きでも大きく変動したかのように頻繁に移動平均線の動向が変わります。
そのため短い期間ばかりでみていると、ゴールデンクロスになりそうな「だまし」に影響されてしまうこともあるため気を付けましょう。
移動平均線の種類は5日線、25日線だけでなく、75日線、200日線などあり、期間の長い移動平均線のゴールデンクロス、デッドクロスほど信頼性の高い動きと考えられます。
ゴールデンクロスは移動平均線の動きからわかりますが、短期線が上向きになることで起こる現象のため、シンプルに言うと「上昇」を意味するものです。
つまり、上昇に転じた動きになったという事は、投資家としては「買いのサイン」として見ることができます。移動平均線そのものが買いのサインを探る指標となるので、ゴールデンクロスになることで買いに動く投資家も多いでしょう。ゴールデンクロスになるラインで株を購入できていれば、そこからの上昇トレンドで伸びしろによる収益が期待できます。
しかし、ゴールデンクロスは上昇向きであることには間違いないですが、その信頼性や継続性はまた別の見方で探ることが必要です。信頼性に関しては先にも記載した通り、移動平均線の期間が長い線ほど信頼性が高いと言えます。
ただし、短い5日線がダメだという訳ではなく、短期線では初動の動きを掴めるため、うまく移動平均線の期間を活用していくと良いでしょう。
さらに、ゴールデンクロスしたそのクロスの角度にも注目です。
クロスの角度が緩やかな場合、勢いも弱くデットクロスに切り替わってしますのも早い可能性があります。上昇トレンド転換のサインとしてはやや弱い動きです。
クロスの角度が急上昇な場合、勢いも強く決算やIRなど明確な動きで上昇トレンドに入った可能性があり、上昇トレンド転換の強さを感じます。5日線の急上昇の場合には、反発で急降下する場面があるので、油断せず動向を注視しておくと良いです。
デッドクロスの場合は、この反対を意味しており、ただのクロスを見るだけでなく期間や角度も合わせて判断できると良いでしょう。ゴールデンクロスを重視して投資判断をする場合には、短期投資にはあまり向いてなく、比較的中期・長期投資向けの指標となります。
さまざまな要因で株価が大きく変動する場合があるため、クロスの状態の度に売買を繰り返すことはあまりおすすめしません。
ゴールデンクロスは、下降していた短期線が上昇トレンドに転換して、長期線とクロスする状態です。
上昇トレンドに乗るための「買いのサイン」であり、チャンスを探る重要なポイント。
移動平均線の期間やクロスする角度で、信頼性や先行性の勢いを感じとり判断しましょう。