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優待クロスの手数料はこの3つ!【手数料負けを防止するための知識】

優待クロスは優れた手法ですが手数料がかかるため注意が必要です。

手数料に気をつけていないと、受取れる株主優待よりも手数料のほうが上回ってしまう「手数料負け」の状態になってしまいます。

では、優待クロスで発生する手数料はどんなものかと言いますと次の3つです。

  • 逆日歩
  • 売買手数料
  • 貸株料

この記事では、上記3つの手数料の詳細と対策方法を解説していきます。

目次

優待クロスの手数料その1:「逆日歩」

優待クロスの手数料で一番痛いのが「逆日歩(ぎゃくひぶ)」です。

逆日歩とは、「信用売り(空売り)」している人が証券会社に支払うコストのひとつです。

優待クロスでは、現物買いと信用売りを同時に行ないます。

信用売りは証券会社から株を借りる行為であるため、証券会社では在庫切れになることがあります。その場合、証券会社は株を別の場所から借りてくるのです。

その際にはコストが発生します。そのコストは投資家が負担する必要があります。これを逆日歩と呼ぶのです。

従って、逆日歩は必ずしも発生するわけではありません。株が在庫切れになったときのみに発生します。

しかし、逆日歩が発生した場合はけっこうな出費になることもあるので要注意です。

逆日歩は「1株あたり1日につき○銭」というよう発生するため、以下のように計算します。

逆日歩=1株あたりの逆日歩数×保有株数

例えば、1株あたりの逆日歩数が50銭であり、保有株数が3,000株なら以下のとおりです。

50銭×3,000株=1,500

上記の場合は1日1,500円の逆日歩が発生します。

逆日歩を抑えるための対策方法

逆日歩を抑えるための対策方法は「一般信用取引」で空売りすることです。

一般信用取引とは、証券会社のルールで取引する信用取引です。これに対して、証券取引所のルールで取引するのが「制度信用取引」となります。

逆日歩が発生するのは制度信用取引のみです。よって、一般信用取引を選択すれば逆日歩は100%防ぐことが可能です。

一般信用取引の場合、投資家と証券会社のみで取引が完結します。逆日歩は証券会社が株不足の際に他社から借りてくる費用であるため、一般信用取引では対象外となるのです。

優待クロスの手数料その2:「売買手数料」

優待クロスに限らず、株の売買時には「売買手数料」が発生します。

通常、新規売買時と決済時に往復で売買手数料が発生するのです。

例えば、「SBIネオトレード証券」の現物取引の売買手数料は以下のとおりです。

1注文毎の約定代金売買手数料
5万円以下50円
5万円超~10万円以下88円
10万円超~20万円以下100円
20万円超~50万円以下198円
50万円超~100万円以下374円
100万円超~150万円以下440円
150万円超~300万円以下660円
300万円超880円

約定代金が5万円以下の場合であれば、売買手数料は50円であるため、「新規売買時50円+決済時50円=100円」と往復で100円かかります。

優待クロスの場合はこれに信用取引の手数料も追加で発生します。

なお、SBIネオトレード証券の場合は信用取引の手数料は無料であるため、現物買い100円のみで済みます。

しかし、他社だと信用取引の手数料も発生することがほとんどです。

売買手数料を抑えるための対策方法

売買手数料を抑えるための対策方法は手数料の安い証券会社を選ぶことです。

売買手数料は証券会社によって違うからです。

実際に以下の3社で比較してみましょう。まずは現物買いの手数料からです。

松井証券DMM証券楽天証券
~5万円以下無料55円55円
~10万円以下無料88円99円
~20万円以下無料106円115円
~50万円以下無料198円275円
~100万円以下1,100円(25歳以下無料)374円535円
~150万円以下1,100円(25歳以下無料)440円640円
~300万円以下3,300円(25歳以下無料)660円1,013円
300万円超以降、100万円増えるごとに1,100円を加算 (25歳以下無料880円1,070円

50万円以下であれば、松井証券が手数料無料であるため圧倒的にお得です。

優待クロスは「権利付最終日」までその銘柄を保有していれば株主優待を得られます。

権利付最終日とは、その銘柄で株主優待や配当金が得られる権利を獲得できる最終売却日のことです。

取引金額は関係ないため、50万円以下の取引でも十分です。

続いて信用売りの売買手数料も確認してみましょう。

松井証券DMM証券楽天証券
 松井証券DMM証券楽天証券
~10万円まで無料88円99円
~20万円まで無料88円148円
~50万円まで無料88円198円
50万円超100万円までは1,100円 200万円までは2,200円 以降、100万円増えるごとに1,100円を加算 (25歳以下無料300万円まで88円 300万円超は無料385円

信用買いの売買手数料も50万円までなら松井証券がお得です。

このように売買手数料が安い証券会社を選択することで、売買手数料は抑えることができます。

また、証券会社によっては売買手数料の「定額プラン」があります。

例えば、楽天証券には「いちにち定額コース」というプランがあり、1日の取引金額が100万円までなら売買手数料が無料です。

こうした定額プランを利用することでも売買手数料を軽減できます。

優待クロスの手数料その3:「貸株料」

優待クロスの手数料の3つめは「貸株料」です。

貸株料とは、信用売りに発生する手数料であり、株の借り賃のようなものです。

信用売りは証券会社から株を借りる取引方法であるため、借りるための費用が必要となり、それが貸株料となります。

貸株料の計算方法は「空売りの約定代金×貸株料の利率÷365×保有日数」です。

仮に、空売りの約定代金が20万円であり、貸株料の利率が1.10%で10日保有した場合は以下のように計算します。

20万円×1.10%÷365×10日=約60円

上記のケースでは約60円の貸株料を支払わないといけません。

貸株料を抑えるための対策方法

貸株料を抑えるための対策方法はまず、保有日数を抑えることです。

貸株料は保有日数にかかるため、保有日数を短くすればその分だけ金額を減らすことができます。

よって、優待クロスは権利付最終日に行なうのがおすすめです。そうすれば、貸株料は1日分だけで済みます。

もうひとつの対策方法は貸株料利率の低い証券会社を選ぶことです。

貸株料利率は証券会社によって異なるため、利率が低い証券会社を選ぶことで発生する貸株料を抑えることができます。

例えば、次の5社の場合、一般信用取引の貸株料利率は以下のようになっています。

証券会社名貸株料利率
SBIネオトレード証券無料
DMM株年1.0%
楽天証券一般信用取引「無期限」:年1.10% 一般信用取引「短期」:年3.90% 一般信用取引「いちにち信用」:年0.00%
au カブコム証券年1.50%
松井証券年2.0%

在庫切れの回避のために早く入手しておきたいなどの理由により、保有日数を長くとる場合は貸株料が積み重なっていくため、できる限り貸株料利率が低い証券会社を選ぶようにしましょう。

まとめ

優待クロス時に発生する手数料とその対策方法をまとめると以下のとおりです。

手数料対策方法
逆日歩一般信用取引で空売りする
売買手数料手数料の安い証券会社を選ぶ 定額プランを利用する
貸株料保有日数を短くする 貸株料利率が低い証券会社を選ぶ

優待クロスをするときは上記を押さえておくことで、手数料負けの可能性を大きく減らせるためぜひ実行してみてください。

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