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株の空売り手数料が高い!【その理由と対策方法を10分で学べる】

「株式投資をしているけど空売り手数料が高い!」と悩んでいる人は多いようです。確かに空売り時には様々な手数料が発生し、場合によっては利益の大半を失ってしまうケースもあります。

この記事を読めば、空売り手数料がなぜ高くなるのか理由が分かり、その対策方法まで学べます。手数料負けを回避するための参考書としてお使いください。

目次

株の空売り手数料が高いと言われる理由

株の空売りでは手数料が高いと言われがちです。その理由はおもに次の4つの手数料がかかるためです。

株の空売りでかかるおもな手数料

  • 売買手数料
  • 貸株料
  • 逆日歩
  • 配当落調整金

まずはそれぞれの手数料がどのようなものか知っておきましょう。詳細については、次章でお伝えしていますのでそちらをご覧ください。

売買手数料

売買手数料は売り買いするときの手数料です。空売りでは「新規売り」「決済買い」の往復でかかります。例えば、売買手数料が98円であれば「98円(新規売り)+98円(決済買い)=196円」となり、196円のコストとなるのです。

貸株料

「貸株料(かしかぶりょう)」は株を借りる際のレンタル料です。空売りは証券会社から株を借りることになるため、レンタル料を支払う必要があります。

貸株料の計算式は「約定代金×貸株料利率÷365×保有日数」です。例えば、約定代金が90万円・貸株料利率1.0%・保有日数30日であれば、「90万円×1.0%÷365×30日=739円」となり、739円の貸株料が発生します。

逆日歩

「逆日歩(ぎゃくひぶ)」は証券会社が他所から株を借りてきたときに発生するコストです。証券会社が貸し出せる株数には上限があります。もし株不足になった場合は、他所から借りてくるのですがこのときにコストが発生します。そのコストは空売りしている人が負担しなくてはいけないのです。

逆日歩の計算方法は「1株あたりの逆日歩×保有株数×建玉の保有日数」になります。1株あたりの逆日歩が4銭・保有株数1,000株・建玉の保有日数15日という状況であれば、「4銭(0.4)×1,000株×15日=6,000円」となり、6,000日を支払わないといけません。

配当落調整金

配当落調整金は保有している銘柄に配当金があるとき、配当相当額を調整するためのものです。信用買いの人であれば得られますが、空売りしている人は支払わないといけません。支払額は以下のとおりです。

信用取引の種類支払額
制度信用取引配当金×84.685%
一般信用取引配当金の100%

証券取引所のルールでする「制度信用取引」であれば、「配当金×84.685%」になります。配当金が3,000円なら「3,000円×84.685%=2,540円(少数点は切り捨て)」となり、2,540円の配当落調整金が発生します。

証券会社のルールでする「一般信用取引」であれば、「配当金の100%」です。従って、配当金が3,000円であれば、配当落調整金は3,000円です。

空売りの手数料を抑える方法①:売買手数料への対策

売買手数料を抑えるには次の2つの方法があります。

売買手数料を抑えるための対策方法

  • 売買手数料の安い会社を選ぶ
  • 定格プランを利用する

売買手数料は証券会社によって異なります。当然、安い会社を選んだほうが抑えやすいです。例えば、以下の2社ならA社のほうがずっとお得です。

売買手数料100回取引した場合の合計
A社90円(往復180円)18,000円
B社148円(往復296円)29.600円

定格プランを利用するという手も有効です。証券会社によっては「100万円まで売買手数料無料」というプランがあるケースもあります。そうした定額プランを利用することで発生するコストを抑えることもできます。

空売りの手数料を抑える方法②:貸株料への対策

貸株料を抑える方法は次の2つです。

貸株料への対策方法

  • 貸株料利率が低い会社を選ぶ
  • 保有期間を短くする

貸株料利率は証券会社によって違います。次の比較表のように、低い会社を選ぶことで抑えやすくなります。

会社名貸株料利率30日保有した場合の金額
A社年0.7%287円
B社年1.0%410円
C社年1.5%616円
※約定代金50万円のケースで算出

保有期間を短くするのも有効な手段です。貸株料は「約定代金×貸株料利率÷365×保有日数」で算出されるため、保有日数が長くなるほど大きくなるからです。このため、保有日数を短くすれば、貸株料も自然と抑えられます。

空売りの手数料を抑える方法③:逆日歩への対策

逆日歩を抑える方法は以下の3つです。

逆日歩への対策方法

  • 一般信用取引で空売りする
  • 逆日歩が発生している銘柄で空売りしない
  • 逆日歩が発生しそうな銘柄で空売りしない

一般信用取引で空売りすれば逆日歩は100%防げます。逆日歩は制度信用取引のみに発生するコストだからです。

逆日歩が発生している銘柄で空売りしないというのも重要です。逆日歩のチェックは「日本証券金融株式会社(日証金)」で出来ます。検索欄に銘柄名がコードを入力したあとに表示されるページで、「品貸料率」という欄に数字があったら逆日歩が発生しています。

出典:日本証券金融株式会社

逆日歩が発生しそうな銘柄で空売りしないというのも対処法のひとつです。逆日歩は株不足によって起こるため、以下のような特徴のある銘柄には注意したいです。

これらの特徴がある銘柄は株不足になる可能性がある

  • 信用倍率が1倍を割っている
  • 注意喚起銘柄
  • 発行済株式数が少ない

空売りの手数料を抑える方法④:配当落調整金への対策

配当落調整金を抑えるには、「権利付最終日」の取引終了時間までに空売りしている株を決済することです。配当落調整金が発生する条件は、「配当金のある銘柄を空売りしているときに権利付最終日をまたいで保有したとき」だからです。

権利付最終日とは、配当金や株主優待を貰える権利を獲得できる最終日のことになります。7日が権利付最終日であれば、7日の株式市場が終了するまで株を保有していれば、配当金や株主優待を貰える権利を獲得できるのです。

権利付最終日をまたいで株を保有しない場合は配当金を貰える権利を獲得できず、配当相当額の調整をする必要もないため、配当落調整金も発生しません。このため、配当落調整金を支払わなくても良くなります。

まとめ

空売りの手数料とその対策方法をまとめると次のとおりです。

手数料の種類対策方法
売買手数料売買手数料の安い会社を選ぶ 定格プランを利用する
貸株料貸株料利率が低い会社を選ぶ 保有期間を短くする
逆日歩一般信用取引で空売りする 逆日歩が発生している銘柄で空売りしない 逆日歩が発生しそうな銘柄で空売りしない
配当落調整金権利付最終日の取引終了時間までに決済する

空売りの手数料が高いと感じたときは上記を参考にして対処してみてください。今よりも手数料を抑えることができ、手数料負けの危険を回避しながらトレードすることが可能です。

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