株価が大きく上昇すると「ストップ高」になり値が付かなくなることがあります。
ストップ高になるということは「これから上昇する可能性がある」と期待して買った人が多いということですので、その流れに続きたいという人もいるでしょう。
しかし、ストップ高銘柄は通常の銘柄のように買うことができません。
そこでこの記事ではストップ高銘柄の買い方をお伝えしていきます。
目次
ストップ高銘柄の買い方はスピードが大事になります。
発注時刻を優先する証券会社が多いからです。
例えば、SBI証券は以下の注文順にストップ高銘柄の配分をおこないます。
SBI証券のストップ高銘柄の配分順
1~6と順番に配分をしたのち、再度1~6の順番で配分して注文が無くなるまで約定させていくのです。
このときそれぞれの注文の優先順位は発注時刻です。1の成行注文を出している投資家が複数いるなら発注時刻の早い投資家から約定させていきます。
このようにストップ高銘柄は発注時刻を優先する証券会社が多いため、早めに注文しておくことが約定させるコツです。
ストップ高銘柄は発注時刻を優先する証券会社が多いですが、証券会社によってはルールが違うので注意しておきましょう。
例えば、「GMOクリック証券」では以下のルールによって分配されます。
GMOクリック証券のストップ高銘柄の分配方法
GMOクリック証券の場合、注文合計数量の多い投資家が優先されます。こうしたルールを強いている証券会社ですと、ストップ高銘柄の約定確立を上げるには大量の注文を出す必要があります。
このように証券会社によってルールが違うこともあるため、ストップ高銘柄を買いたいときはお使いの証券会社のHPを確認したり、電話で問い合わせたりするようにしてください。
ストップ高銘柄は「比例配分」によって配分されると知っておきましょう。
比例配分とは、買い注文の多い証券会社から株を割り当てるというルールです。
例えば、銘柄Xに以下の3社で合計1,000株の発注があったとしましょう。
上記の場合、まず一番発注量の多いA社から1単位(100株)ずつ銘柄Xが割り当てられます。2番目はBで最後はCです。よってA→B→Cという順番で割り当てが行なわれるのです。
続いて再度A→B→Cの順番で割り当てが行なわれ、注文量の1,000株が無くなるまで繰り返されます。このケースですと配分の内訳は以下となりA社が一番多くなります。
証券会社名 | 配分量 |
---|---|
A社 | 300株 |
B社 | 200株 |
C社 | 200株 |
このような仕組みが比例配分です。
この後、比例配分によって割り当てを受けた証券会社は各社のルールに応じて投資家へ株を分配していきます。
ストップ高とは1日の値幅制限を超えたときにおこる措置を指しますが、その値幅は株価によって異なります。
上記は株価が10,000円未満までの制限値幅です。
株価が700円以上で1,000未満のケースなら制限値幅は150円になります。よって、150円上昇するとストップ高になります。ちなみに150円下落した場合はストップ安です。
ストップ高の制限値幅は拡大することがあります。
拡大するのは以下の条件に2営業日連続で当てはまったときです。
ストップ高の制限値幅が拡大する条件
出典:日本取引所グループ
上記を要約すると、ストップ高(安)が2営業日連続で起こったという意味です。
この場合、制限値幅が拡大して普段の4倍になります。例えば、株価100円以上~200円未満ですと制限値幅は通常50円ですが4倍の200円になるということです。
制限値幅の拡大が起こると前日と大きく離れた株価で約定する恐れがあります。
とくに成行で注文を出しているとその可能性が高まるので注意しておきましょう。
ストップ高銘柄を効率よく見つけるには証券会社のツールを使うのがおすすめです。
大体の証券会社には検索ツールがあるからです。
また、「ヤフーファイナンス」でも検索可能です。
左端の「株式ランキング」の「ストップ高」をクリックすれば、ストップ高になっている銘柄が確認できます。
ストップ高銘柄はあくまで制限値幅に達したものであり、これから上昇する銘柄ではありません。
ストップ高は基本的に好材料が出たときに起きます。
好材料とは業績のアップや企業にとってプラスとなるニュースなどです。
よって、「これから値上がりするかもしれない」という期待がもとでストップ高が起こるケースが多いのです。
しかし、期待は期待でしか過ぎないケースもあります。
投資家の期待に対して企業の価値が過大評価されている可能性も否定できません。そうしたことが判明すると反転して売りに傾くことも良くあります。
このため、ストップ高になったからといってその銘柄がその後に必ず上昇していくとは限らないと知っておく必要があります。