株価は常に動いているものなので、投資をすると利益だけでなく損失も出てくることがあります。取引を頻繁にすればその損失に出会う回数も増えてきます。
その為、投資を続けていく上でリスク軽減することが、投資を長続きさせるポイントになります。
リスク軽減の方法は、投資する商品を分散させる、タイミングを見て売買を行う、などありますが、ロスカットを使う人も多いのではないでしょうか。
そんなロスカットを行う際、初心者の方が陥りやすいことについて紹介します。
目次
できれば、自分が投資した株が上がっていくことについてだけ考えたいものでが、実際は株価は相場状況や環境によって大きく変化していきます。
その為、状況によっては持ち続けているより、損切りをして新たに別の銘柄に入れ替えて、予めリスクを回避する選択肢を考えることは必要です。
会社の経営状況が悪化している銘柄などは、上場廃止になる可能性や他の会社と合併などの可能性もあります。
例えば、800円の株価で購入した株が1,000円まで上がったが、その後980円まで下がり、しばらくそのあたりをいったりきたりしていたものの、
一気に800円まで下がり、その後もずるずると下がり続けるというような株価は実際にあります。
800円で購入した場合、800円で売却すると損失が発生します。
その為、購入した800円と購入時にかかった手数料、売却時にかかる売りの手数料を含めた金額を計算しておかないといけません。
「購入した金額 + かかった費用 = 取得金額」とみなして、売却した金額との差額がゼロであれば、収支ゼロとなり、損失も利益も発生することはありません。
ロスカットを行う時に、買い付けだけでなく売却やその他その銘柄にかかった費用(例えば、単元未満株数で買増し手数料がかかった、移管した際の手数料など)を考慮する必要があります。
特定口座で買い付けしている場合、買い付けの価格とは別に税金の計算の元となる平均取得単価が計算されます。
例えば、800円で買い付けした後、株価が下がってきたので新たに750円で買い付けすると、別日であっても平均化された平均取得価格になります。
平均取得価格が売却金額との差額で損益を計算されるようになります。
750円で購入した方で売却したいということはできない為、気をつけないと損失が想定していた金額より大きいということが起こります。
日計り取引などした時も特に注意が必要です。
特定口座を保有している場合、税金の計算は1月〜12月の一年で計算されます。
その為、年末になるとその年の取引の損益状況がわかってくる為、年末に損益通算を行う人も多いのではないでしょうか。
年間を通じて利益が出ている場合、その利益分の税金を、損失を出ている株式を売却することで損益通算を行うことができます。
しかし、損益通算する場合に注意することがあります。
例えば、100万円の利益が出ていた場合、譲渡所得税は20万円です。(復興税考慮せず)
なので、100万円損失を出す(売却)と還付対象となります。
しかし、100万利益を出して100万損失を出すので、結局還付を含めて計算しても80万円の損切りをしていることになります。
還付を受けるために、損失が出ている株式を売却を考えている人も多いと思いますが、還付を受けても損失の方が大きい場合もあります。
損益通算を考える際は、損失の株式の保有していた時に受け取った配当金などを計算などをして、再度売却をして損失を出す必要があるのかを検討した方がよいでしょう。
ロスカットの計算は、購入した株価だけで計算するのではなく、購入時・保有時・売却時にかかった費用を含めて計算する必要がある。特に売却時は忘れがちになることが多い。
特定口座で、同銘柄を複数回買増ししている場合は、購入金額は平均化され平均取得価格で売却金額と計算されるので、購入した金額を指定して売却することはできない。そのため、ロスカット計算は平均取得価格とで確認する必要がある。
特定口座で、年末に損益通算をする場合、損失になっている株式を売却し、利益の税金の還付を受ける場合は、損失を今売却しても良いのかどうかを再度検討することが必要。
還付を受けることに集中しすぎて、損失を出しすぎる可能性もある為、保有の間に受け取った配当金などの金額や損失が出ている株式の今後の状況などを見て売却することが必要。