株式取引において、スキャルピングとデイトレードのどちらを選んでいますか?
それぞれにメリット・デメリットがありますし、適性や時間的拘束要因もありますので、現実の選択はかなり制約の中で決断することでしょう。
この記事では、スキャルピングとデイトレードの違い、メリット・デメリットを解説していきます。
目次
FXでもお馴染みのスキャルピングとデイトレードですが、株式取引においても同じ意味で使われています。
両者の違いを簡単にまとめてみます。
手法 | 保有時間 | レバレッジ | 対象 | 特徴 |
スキャルピング | 数秒~数十分 | 大 | 上級者・プロ | 利益は小さいが、何度も繰り返し積み上げる |
デイトレード | 数時間~当日 | 中~大 | 中・上級者 | 利益は中程度で、当日で損切まで判断する |
時間的に短い順で並べるとスキャルピング→デイトレードとなり、この表にはありませんが次はスイングトレードと続きます。
スイングトレードでは数日から数週間の保有で、初心者に多い手法で、デイトレの持ち越し銘柄を処分する為に用いるのですが、損切・利確ラインが必要なのはスキャルピング、デイトレードと同様です。
この表だけでは不足する部分もありますので、次項より詳しく紹介します。
スキャルピングでは、最短時間+最小利益で取引を成立させることを目標とします。
この最短時間+最小利益の積み重ねが大きな利益に繋がるという考え方です。
当然ですが、最小利益で確定させますし、損切ラインもかなり浅く設定することで、次の取引に向かいます。
この為、利確も小さい反面、大きな損切も発生しにくいことがスキャルピングの特徴でもあります。
また、超短時間での取引であることから、企業業績や業界動向、外部要因の影響を受けにくく、専門知識の重要性がやや低いと言えます(重要であることは間違いありませんが)。
スキャルピングにリスクが低いことは上述の通りですが、リスクを抑える為、利確を逃さない為にも、チャートを常にチェックする必要があります。
そのチェックに際して、複数のモニターが必要になりますし、静かな部屋を用意した方が良いでしょう。
かなりの集中力とストレスが掛かりますし、何より反射神経や動体視力も要求されます。
こうした初期投資も発生しますので、やはり相場の経験値や取引のテクニックに秀でた上級者・プロ向けの手法であると言えます。
スキャルピング取引の市場参加者は証券会社やファンドのディーラーですので、個人の資金で競争すると勝てません。
その日の相場感を把握し、損切を躊躇なく判断出来るタフさが必要で、ザラ場で何度も取引を繰り返す中で勝率を上げていくことが求められます。
サラリーマンにとってスキャルピングが可能であることは意外に知られていませんが、スキャルピングは超短期間での取引であり、昼休みに取引出来るとも言えます(12時30分からの30分で)。
とはいえ、回数を重ねることで利益を狙う取引ですので、かなり限定されますが…
超短時間取引のスキャルピングに比べると、デイトレードは少しだけ時間を掛けて取り組むことになります。
まず、最低限の利確を狙う取引ではありませんので、複数のモニターでチャートを常にチェックする必要はありません。
利確・損切のラインを設定については個人差が出ますが、ルールとして翌日に持ち越さないことを守れば比較的リスクは小さいと言えます。
基本的にポジションの当日解消がルールですが、100%のポジション解消が正解という訳ではありません。
銘柄毎の1週間、1か月チャート(出来れば3か月チャートも)をチェックすることで、スイングトレードへの判断も可能になります。
デイトレードのリスクヘッジとしてチャート分析、企業情報、外部要因への反応はスキャルピングより重要になってきます。
値動きの判断になる材料として、知識量・理解力が大きい程、見通しを立てやすくなります。
このようにデイトレードは持続的な対応力が求められますし、その上で集中力が必要になると言えるでしょう。
とはいえ、デイトレードの場合、サラリーマンが一日1回を目途に注文を入れることも出来ますし、昼休みでポジションを確認することも出来ます。
時間的制約はあるものの、スクリーニング次第では取り組み可能です。
スキャルピングとデイトレードについて、それぞれの特徴をまとめましたが、個人の適性で選択が決まりそうではないでしょうか。
また、サラリーマンだと現実的には副業デイトレが限界でしょうし、専業トレーダーでもスキャルピングで勝ち続ける人は限られていると思います。実際にやっていることはプロと同じですからね。
さあ、スキャルピングとデイトレード、あなたはどっちを選びますか?