株式投資を経験したことがある方もこれから始めていきたいと考えている方も、まず頭を悩ませるのが投資銘柄の選定ではないでしょうか。
銘柄を選定するときには、「テクニカル指標の一つであるRSIを使うのが有効」という考え方があります。
今回の記事では、株式投資銘柄のスクリーニングにおけるRSIの有効性について説明していきます。
目次
銘柄のスクリーニングとは、投資対象銘柄に条件を付けて検索をかけるという方法のことです。
このときの条件になりうる指標は、ファンダメンタル指標とテクニカル指標の大きく二つに分かれます。
ファンダメンタル分析は、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)で割安株を探したり、株主資本比率などの安全性を測る指標を用いて分析をしたりすることで、企業の決算発表やIR発表によって開示される数値データをもとに分析をする手法です。
テクニカル分析は、「移動平均」や「MACD」、「ストキャスティクス」などのチャートからの情報を経験則や法則をもとに分析する手法のことを言い、今回取り上げる「RSI」もテクニカル分析で用いられる指標の一つです。
銘柄のスクリーニングをすることで、投資家は投資対象の銘柄をふるいにかけることができ、銘柄選定にかかる時間効率を圧倒的に上げることができるのです。
RSIとは、一定の期間内の株価の値動き(上昇も下落も)に対して上昇分の値動きが占めている割合を算出して数値化することで、価格の上昇する力の強さを表したチャートです。
RSIは0%から100%の範囲内で推移し、日本語では相対力指数とも言われています。
RSIの値が高いほどその銘柄は市場で買われすぎていて株価は高値といえる水準にあると考えられ、RSIの値が低いほどその銘柄は市場で売られすぎていて株価は安値といえる水準にあると考えられます。
株価の変動が一定の幅の中で行ったり来たりしているようなボックス相場においては、RSIの数値は30%から70%を推移する傾向にあり、一般的にRSIが70%を越えたときに買われすぎ、30%を割り込んだ時に売られすぎとする水準ととらえられています。
そのため、RSIが30%を割り込んだ銘柄はRSIが高い銘柄に比べて市場における株価は安いため、その後に値上がりする公算が高い銘柄が多くあります。
しかし、ここで注意しなければならないのがRSIを算出する期間です。
例えば、あなたが購入を検討している銘柄が長期保有の目的ならば、RSIの算出期間が数日や2週間といった短期での数値を出していても投資目的に即した数値を出せていないため、RSIの算出期間も長期で設定しておくことで正しい投資判断が取れるようになるでしょう。
RSIは、チャート情報から得られる過去の値動きの特徴やそれを集めた経験則から構築された、テクニカル分析においての主要な指標であり、その有効性は確かなものといえます。
しかし、RSIのチャートや数値が有効といえるのは、自身の投資目的に即した使い方をしている場合に限るため、RSIの使い方や性質を正しく認識したうえでスクリーニングの材料に使うことが重要でしょう。
RSIを用いたスクリーニングを行う手順として以下が挙げられます。
今回は一例として、SBI証券で日経平均を構成する225銘柄の中から、RSIが算出期間2週間で数値30パーセント以下の銘柄をスクリーニングしていきます。
RSIのスクリーニングによって出てきた銘柄は以下の通りです。(2021年11月26日現在)
直近の日本株の値動きが弱気であったことも影響してか、RSIが30%以下の日経平均構成銘柄は上位に出てくる銘柄すべてが前日比マイナスの値動きを示していました。
今回は、RSIが30パーセント以下(算出期間は2週間)という検索条件で225銘柄中69件ものスクリーニング結果が得られました。
検索結果数がこのように大きくなってしまった場合は、スクリーニングの対象の幅を狭めたり、RSIの数値をもう少し低く設定したりして、状況に応じたオリジナルなスクリーニングに挑戦してみてください。
また、RSIでスクリーニングした後に、検索結果から得られた銘柄の個別チャートを見て、RSIは上昇傾向なのかを確認することもリスクヘッジの観点では重要になってくるでしょう。
どの銘柄に投資をするのかは投資家であればだれでも経験する悩みで、そうしたときは銘柄のスクリーニングによって緩和します。
そして、スクリーニングの際には、経験則に基づいたチャート分析の一環としてRSIの指標を用いることは有効です。
場面に応じて、あなただけのオリジナルな指標を作ってスクリーニングをすることで株式投資を楽しんでみてください。