株式投資は、相場師や市場によって言い伝えられている名言があります。
株式の世界は、必ずしもその名言通りになるとは限りません。しかし、名言の中には、昔から言い伝えられてきただけあって「なるほど!」と思うものも数多くあります。
また、株式の名言は株式の取引だけでなく、時に生活している中でも通じるものもあり、名言を知ることでこの後の自分が悩んだ時の道しるべとなる場合もあるかもしれません。
そんな、株式の名言について取り上げてみました。
投資家の名言などの本、昔から言い伝えられている名言集の本などが出ていますので、最後にいくつか取り上げてみました。
目次
「もうはまだなり まだはもうなり」
株式の名言として、昔から今でもよく使われている言葉です。聞いたことがある人も多いと思います。
株価がもう底だと思っていても、まだ下値があるのかと一度考えてみることが大事で、反対に株価が下がっていてまだ下がるのかもしれないと思っても、もう底だと考えてみることが大事だということです。
相場は常に変化していて、その微妙な変化に自身の独善的な判断をくだすことは危険だということを先人は教えてくれているようです。
株式以外でも、まだまだいけると思って物事を進めていたらやり過ぎたり、反対にもうここまででいいやと思っていたら不十分だったり、自身の独善的な判断によらず、冷静な判断を常に持つことが大事だと思わせてくれる言葉です。
「売り買いは腹八分」
この名言は、2つの意味があります。
一つは、株式を最安値(底)、最高値(天井)で買おう、売ろうと思うことはやめておけという戒めでの意味で、もう一つは、株式(投資)に全財産をつぎ込むなという戒めの意味があります。
株式を、最安値(底)、最高値(天井)で売れば、利益が最大になりますが、実際にそのような取引をするには難しいため、欲張らずそこそこで取引をしなさいということです。
その他の古い格言にも「天井を売らず 底を買わず」(八木虎之巻)があります。
このことから株式だけでなく、何事においても欲張らずに、ほどほどにすることは大事だということを感じます。
「相場は思った通りに動かない」
この名言を読むと、そりゃそうだ、当たり前だ。と思う人と、反対に投資を勉強している人にとっては、勉強する意味がないのかと思う人もいるかもいるかもしれません。
「相場は理屈通りに動かない」ということを示した言葉です。
相場をつくっているのは、取引をしている「人」です。今はAIなどの自動売買システムもありますが、そのシステムを作っているのも人です。
人が取引をして、相場を形成しています。そのため、時として相場は人の心理状況によって大きく動くことがあり、思わぬ方向にすすむことがあります。
最近は、自動売買システムの導入により、相場が大きく乱高下しやすくなったという傾向もあります。
それ以外にも、相場にはこれからも予期せぬ出来事が発生する可能性もあります。
この名言から、相場は予測不可能なものだからしょうがないと思うか、予測不可能なものだからできる限りの対策を考えないといけないと思うかが、取引においても大きな意味を持つのではないでしょうか。
また、株式だけでなく、人生においても、自分の計画していたことが、予定通りに進まなかったということもあると思います。そういった時に、この名言を思い出してみてはいかがでしょうか。
相場の不確実性に対して、投資をすすめる方法として、「卵は一つの篭に盛るな」(卵を一つのかごに盛ると落とした時に全部割れてしまうので、分けていれる=分散投資の必要性)や「遠くのものは避けよ」(自分がよく知らないことには投資をするな)などの名言があります。
最後に、株式の名言を取り上げた、名言集の本がありますので、いくつか取り上げてみました。興味を持った方は読んでみてはいかがでしょうか。
・大儲け株式名言格言集―株売り、買い、休め! – 守屋 陽一 (著)
・チャールズ・エリスが選ぶ「投資の名言」 – チャールズ エリス (著), 鹿毛 雄二 (翻訳)
・株で勝つ! 相場格言400 – 西野 武彦 (著)
株式の名言は、昔から言い伝えられてきたものであり、今でも使われているものが多くあります。
また、投資の世界以外の場面でも通じるものがあります。
名言には矛盾していると感じるものもありますが、投資する上で判断に迷った時には、この名言を思い出してみてはいかがでしょうか。