株式投資をしている人の多くはチャート分析をしたことがあると思います。
チャート分析は非常に奥が深く、ただただチャートを眺めていても何も見えてきません。水平線を加えることで、チャート分析が可能となるのです。
この記事では、水平線とは何か、またその使い方を詳しく分かりやすく解説します。
目次
水平線とはチャートの分岐点に当てはまる箇所やローソク足、過去の高値及び安値等を基準に水平に線を引きその線がサポートライン(支持線)やレジスタンスライン(抵抗線)になると考えるチャート分析です。
サポートライン(支持線)とレジスタンスライン(抵抗線)について簡単に説明します。
サポートラインとはチャートで過去の下値の2点以上を水平線で結んだラインのこと。
サポートライン近くまで株価が下落してくると下げ幅が小さくなり、反発し上昇に転じることが多いです。
サポートラインでも下げ止まらずに株価が下落した場合は、次のサポートラインまで勢いよく下落する可能性が高いです。
レジスタンスラインとはチャートで過去の上値の2点以上を水平線で結んだラインのこと。
レジスタンスライン近くまで株価が上昇してくると上げ幅が小さくなり、反発し下落に転じることが多いです。
サポートラインでも上げ止まらずに株価が上昇した場合は、次のレジスタンスラインまで勢いよく上昇する可能性が高いです。
水平線を使った実践的なチャート分析を実際にしてみましょう。
水平線の使い方は短期、中期、長期で見方が変わります。チャートを見ながら順番に説明していきます。
画像のチャートは日足、横軸全てで1ヶ月を表しています。
▼マークまでのローソク日足の実態の上値が重なっている箇所(ヒゲは無視)に引いたレジスタンスライン(緑色)と、下値が重なっている箇所に引いたサポートライン(オレンジ色)の間で、始値と終値ベースの株価が推移していることが見てとれると思います。
これがサポートラインとレジスタンスラインに水平線を引きチャート分析する方法です。
具体的にはこの銘柄でデイトレードや短期的な売買を目的とする場合、サポートラインが引いてある954円程度で買いの指値注文をする。
レジスタンスラインが引いてある961円程度で売りの指値注文を行えば値幅7円を安定して取れるだろう。
と考え、短期投資用の指標に水平線が活用できます。
画像のチャートは日足、横軸全てで3ヶ月を表しています。
▼マークまではレジスタンスラインとサポートラインの中で株価が上昇と下降を繰り返しており典型的なボックス相場となっています。
このようなボックス相場内ではそのレンジ内の底値(サポートライン付近)で買い、高値(レジスタンスライン)で売れば利益が取れます。
この銘柄の場合約40円の値幅内で利益が取れそうですよね。
また、ボックス相場では何回か同じレンジ内で株価が上昇と下降を繰り返したのちにサポートラインを割るかレジスタンスラインを超えてくるパターンが多いです。
この銘柄の場合は▼マーク後に620円のサポートラインを割って一時的に560円台になっています。
ボックス相場で投資をする場合は、サポートラインを割ってトレンド転換したと感じたらすぐに損切りできるようにしましょう。
画像のチャートは日足、横軸全てで1年を表しています。
長期の場合は、その期間の最高値と最安値を意識して水平線を引きましょう。
まずは①の安値に対しオレンジの水平線を引きましょう。次にチャート前半部の高値である②部に緑の水平線を引きます。続けてチャート後半部の⑥部に茶色の水平線を引きます。
するとオレンジ線がサポートラインに、緑線と茶色線がそれぞれレジスタンスラインになっていることがはっきり分かります。
具体的にこの銘柄の株価の推移と水平線の見方について説明していきますね。
これがこの銘柄のチャートに水平線を書くことにより読み取れる、株価の推移とその経緯です。
ここから先のチャートを推測することができるかどうかで「利益を出せる」か、「損失を出す」かの分かれ道になります。
買いで入る場合と売りで入る場合の2パターン考えてみましょう。
2021年6月から9月を見た場合、1,370円が底値で3回反発しています。高値は1,490円を3回記録しています。
1,370円から1,490円のボックス相場になる可能性が高いです。
つまり、1,370円付近で反発したことを確認したら購入します。
1,490円付近まで株価が上昇し1,490円を超えずに下降し始めたら売却することでキャピタルゲインを狙いましょう。
もし、1,490円を超えていった場合はレジスタンスラインを突破したということになり、新高値を狙いに行く形になる可能性が高いです。
次のレジスタンスラインとなる可能性の高い過去の高値を見て、その株価を意識しながら売りましょう。
上記の通り2021年6月から9月を見た場合、1,370円から1,490円のボックス相場になる可能性が高いです。
再度1,490円付近まで株価が上昇するまで待ち、レジスタンスラインに跳ね返されたことを確認したら空売りを仕掛けましょう。
株価が1,370円付近まで下落し、反発を確認したら買い戻すことで利益を得ることができます。
株価が1,370円でも下げ止まらずに下落した場合は、次のサポートライン(オレンジ色)となる1,280円まで下がる可能性もあります。
株価の推移を見ながらもみ合いになることなく下がるなら1,280円付近まで買い戻すのは待ちで問題ありません。
もみ合いになったことを確認した場合はそこで売りましょう。
水平線とトレンドライン、2つの指標を使うことでより正確な株価推移の予想が可能となります。
以下の画像で説明します。
画像のチャートは日足、横軸全てで1年を表しています。
オレンジ色はサポートラインで緑色、茶色、水色、紺色はレジスタンスラインになり得るラインです。
黒色が過去の高値ラインを結んだもので、右肩下がりになっているのでダウントレンドラインとなります。
今までの説明でもわかる通り、レジスタンスライン付近で跳ね返され株価が下落する場合は売りです。
更にこのレジスタンスラインとダウントレンドラインが重なる箇所は強烈な売り指標となります。
画像のチャート赤丸部はまさにそれに該当します。
緑色のラインは直近最高値でありレジスタンスラインになり得る価格帯です。
このレジスタンスラインに黒色のダウントレンドラインがぴったり重なっています。
更に株価はこの2つのラインに向かって上昇しており、2つラインに跳ね返されるようであればダウントレンド継続の可能性が極めて高く、赤丸内のピンク色のような株価になると予想されるため売りサインです。
このように水平線とトレンドラインの2つのラインを使ってチャート分析をすることで、今後の株価の推移をより正確に予想することが可能となります。
レジサポ転換とはレジスタンスラインとして機能していた水平線がブレイクされ株価上昇後、サポートラインとして機能することです。
逆に、サポレジ転換とはサポートラインとして機能していた水平線がブレイクされ株価下降後、レジスタンスラインとして機能することを指します。
それぞれ具体的にチャートを見ながらの説明となぜそのようなことが起こるのか分かやすく解説します。
画像のチャートは週足、横軸全てで2年を表しており、レジサポ転換が起きた例です。
チャート左側①と②の高値を結んだ緑色の水平線がレジスタンスラインとして機能していましたが、③でレジスタンスラインを超え株価は上昇しました。
その後④では、先ほどのレジスタンスラインと同一線上でオレンジ色の水平線がサポートラインとして機能しています。
なぜこのようになるのかは③を境に左側と右側で「市場心理が一変する」からです。
詳しく説明していきます。
③の左側での市場心理は「緑色のレジスタンスラインを超えることはほぼないので、4,000円付近になったら売ろう」と考えている人がほとんどです。
そして持ち株を4,000円付近で売ってしまい、③より右側になると「売らずに持っていればもっと利益がとれた。失敗した」となります。
約5,200円の株価になっており「1,200円分の値幅を損した」と感じてしまうのです。
しかし、4,000円で売却した銘柄を5,000円以上で買いなおすことは心理的になかなかできることではありません。
株価は5,200円の新高値を付けたあと、調整に入り4,000円付近まで下落してくると、4,000円付近で売却してしまった人たちにとっては、同値で買いなおすチャンスがやってきたとなり、4,000円付近で買いが集中します。
これがレジスタンスラインを突破したあとにそのラインがサポートラインに変化する理屈になります。
さらにこの銘柄の場合、④の位置は以下3つの条件が重なり絶好の買い場となっています。
この3つが重なったこともあり、④の後に株価は4,000円から約半年で9,000円を超えており、とてつもなく高騰しております。
水平線とはチャートの分岐点に当てはまる箇所やローソク足、過去の高値及び安値等を基準に水平に線を引きその線がサポートライン(支持線)やレジスタンスライン(抵抗線)になると考えるチャート分析です。
この記事内でお伝えした水平線についての様々な情報を以下にまとめました。
この記事を読んで頂いた方はチャート分析をする際に「水平線」の効果的な使い方について理解して頂けたと思います。
今後の株式投資においては、この「水平線」を有効に使い株価推移を予想し利益を出しましょう。