株式会社ソーシャルインベストメント

割安株のスクリーニングで注意することは?

割安株を見つけるためにスクリーニングをしたことはあるでしょうか?

ネットで調べれば割安株を見つける方法がいろいろ出てくると思います。

しかし、割安株をスクリーニング条件から割り出しても、
必ずしも株価が上がる訳ではありません。

そのような目線で銘柄をスクリーニングするのは大きな目安になることもありますので、
今回は、割安株探しでよく使われる指標を紹介し、その指標の意味を考えることで、
万年割安株と将来大きく株価が上がる株の違いを見ていきたいと思います。

目次

よく使われるスクリーニング指標は?

割安株をスクリーニングするとき、どんな指標を思い浮かべるでしょうか?最も有名な指標ならPERやPBRがあります。また、アベノミクスで注目されたROEなどもあるでしょう。

これらの指標は、来期の業績予想と資本に対する株価から導き出される指標です。ほかにも自己資本比率や配当利回りなどもあります。しかし短期から長期まで、どんな時間軸で投資する機関投資家でも注目しているのが、PERとPBRです。この2つの意味をしっかり理解することは、万年割安株と将来株価が上がる銘柄を見分けるために、もっとも重要な事と言えます。

PERとPBRの意味

PERは、一株当たりの純利益に対する株価の倍率によって算出される指標です。単純に株主資本に対してどれだけ稼いでいるかを見るので、非常に汎用性が高いです。一般に15未満は割安とされますが、企業の成長ステージによっては30以上を許容する場合もあります。

例えば、3年連続で純利益が30%以上成長している企業なら、将来の成長も期待できるので先回りして株が買われます。そのためPERが30を超えていても投資家は売りません。この反対で、何か特殊な理由で純利益が増加してPERが低くなることもあります。この場合、機関投資家などは、特殊要因を除いた純利益を見込んで株を買うので、PERが低くても思ったように株価が上がらなくなります。

このように、PERは非常によく使われる指標ですが、意外と奥が深いのでその意味をしっかり確認しましょう。そうすれば万年割安なPERの銘柄を選ぶ心配がなくなります。

PBRは、企業の純資産(資本)と株価の関係を表しています。株価が低迷し、PBRが1を割り込むと、企業の純資産価値以下でその企業を買収することができます。この意味を例えると、1000億円の土地を持っている企業に対し、500億円で株式を買い占めれば、1000億円の土地ごとその企業を手に入れることができるわけです。逆にいえば、PBRが高いということは、投入した資本に対して、その企業がより多くの付加価値を付けられているということになります。

そしてここがポイントなのですが、PBRは1より高いか、低いかが判断基準になります。大きな資本を投入しないで利益を上げ、企業価値(企業の資本価値)を上げられる業態、例えばIT企業などではPBRが10を超えることも珍しくありません。それでも、その企業が割安といえる場合もあるのです。逆に銀行などはここ数年、PBRが0.5程度まで落ち込んでいます。しかし、金利がつけられないため、そのビジネスで利益を生み出せない銀行は、PBRが割安なまま放置されます。これは仮に銀行を買収しても、その事業で資産価値を高めることができない、と判断されているということです。

一般にPBRが1を下回る企業は、株価が解散価値を下回るから割安だと言われます。しかし、上記のように意味を考えると、安易にPBRが1未満の株式を買うわけにはいかないことがわかると思います。資産価値と事業価値を合わせて考えたうえで、PBRが1未満なら割安といえることになります。

スクリーニングでPERとPBRが低くても株価が上がらない銘柄は、これまで説明したような事情があるかもしれない、ということを考える必要があります。

株価が上がる銘柄とは?

ここまでの解説から、PERとPBRの意味をより深く考えることで、その銘柄が割安に放置されている理由を判断できるようになったと思います。では、割安な銘柄の株価が上がる条件とは、どういったものでしょうか?

それは、スクリーニングで割安なうえに、事業の成長性と特異性が備わっている銘柄であることです。資産や利益から割り出せる指標が割安で、将来成長しそうな事業を営んでいる銘柄は、その可能性を評価されたときに株価が大きく上昇します。

ここで大事なのは「可能性」です。過去の業績がいくら良くても、将来の成長性がない銘柄の株価は上がりません。過去の業績が良いだけの銘柄は、万年割安株になる可能性の方が高い場合もあります。現時点で株価が資産と純利益に対して安く、将来成長すると見込まれる銘柄こそ、保有に値する割安株と言えるのです。

まとめ

割安株のスクリーニングの注意点と、株価が上がる銘柄の特徴について解説しました。PERとPBRは最も有名な投資指標であると同時に、その数字の意味が想像以上に深いことに気付いていただけたと思います。株式投資で割安株に投資しても思うように株価が上がらない場合は、PERやPBRによるスクリーニングに加え、その会社の事業の可能性を考える必要があります。株価の上昇は過去の業績ではなく、将来の可能性を見込んで起こるのです。この点を忘れずに割安株のスクリーニングをして投資すれば、万年割安株を長期間保有してしまうようなリスクを減らす事が出来ます。ぜひ、今後の投資活動に役立ててください。

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